タイムズスクエアのATMでカード吸い込みと法外レートの悪夢
旅行情報
あなたの旅行先の国名・都市名
アメリカ、ニューヨーク
あなたが旅行に行った年月
2024年2月
あなたが旅行に行った回数
1回目
あなたの年齢、性別、職業
22歳、男性、大学生
一緒に旅行に行った人の人数
単独
トラブル体験をした場所
タイムズスクエア近くの24時間営業デリ内に設置された独立系ATM
トラブル内容
大学の卒業旅行として、長年の憧れだったアメリカのニューヨークへ初めての一人旅に出ました。巨大な電子看板が無数に輝くタイムズスクエアの圧倒的な熱気と摩天楼の迫力に興奮し、初日から夢中でマンハッタンの街を歩き回っていました。
ニューヨークはほぼ完全なキャッシュレス社会だと聞いていたため、日本からは最低限の現金しか持参していませんでした。しかし、ブロードウェイの劇場周辺でチップを渡す際や、ストリートのフードトラックで名物のチキンオーバーライスを買う際にどうしても現金が必要になりました。そこで、クレジットカードの海外キャッシング機能を利用して、手軽に現地通貨を引き出す形で米ドルへの外貨両替を行うことにしました。これが想像もしなかった悲惨なトラブルの幕開けでした。
夜の22時過ぎ、ネオン煌めくタイムズスクエアから数十メートルほど入った通りにある、24時間営業のデリ(食料品店)に入りました。店の奥の目立たない一角に「ATM」とネオンサインが光る独立型の現金自動支払機が置かれていました。大手銀行の店舗を探すのが面倒だったことと、煌々と電気がついた店舗の中にある機械なら安全だろうと深く考えずにそのATMへ向かいました。
手持ちのクレジットカードを挿入し、暗証番号を入力して300ドルの引き出しを指定しました。すると、画面に英語で「日本円で決済しますか?それとも米ドルで決済しますか?」という選択肢(いわゆるDCC:自国通貨建て決済)が表示されました。旅の解放感と英語の専門用語への不慣れさから、日本円で金額が確定したほうが分かりやすくて安心だと思い込み、深く考えずに「日本円で決済(Accept Conversion)」のボタンを押してしまったのです。
画面をよく見ると、適用されていた換算レートは当時の市場相場よりも約15パーセントも悪く、さらに機械の独自利用手数料として15ドル以上が上乗せされていました。提示された合計の日本円換算額の異常な高さに気づき、慌てて「キャンセル」の赤いボタンを連打しました。
しかし、機械はピピッという無機質な警告音を鳴らしたきり完全にフリーズしてしまったのです。激しい駆動音とともに画面が真っ暗になり、数秒後に「Out of Service(取扱中止)」の表示に切り替わりました。焦ってカードの取り出し口を見ましたが、クレジットカードは内部に吸い込まれたまま一向に出てきません。もちろん、300ドルの現金も1ドルたりとも吐き出されませんでした。
血の気が引き、パニック状態でデリのレジにいた店員に事情を訴えかけました。「ATMにカードとお金を飲み込まれた。開けて取り出してくれ」と頼み込みましたが、店員はスマートフォンをいじりながら肩をすくめ、「そのATMは外部の業者が勝手に置いている私設機械だから、店員には鍵も開けられないし一切関係ない。機械に貼ってある電話番号に自分で電話してくれ」と冷たく突き放されるだけでした。
ATMの側面に貼られた連絡先は現地の英語対応フリーダイヤルしかなく、深夜の路上で国際電話をかけることすら困難を極めました。さらに最悪なことに、スマートフォンのカード利用速報通知を見ると、お金は1ドルも手元に出てきていないにもかかわらず、法外な手数料が上乗せされた高額な日本円の引き落としデータがすでにカード会社へ送信されていたのです。
氷点下近いニューヨークの冷たい夜風が吹き抜ける中、震える手で日本のクレジットカード会社の紛失・盗難デスクへ国際電話をかけました。事情を必死に説明して不正利用を防ぐためにカードを即座に利用停止にしてもらい、未出金の異議申し立て手続きを行いましたが、深夜のタイムズスクエアの片隅で一人、精神的にも肉体的にも完全に疲れ果ててしまいました。
この過酷な経験から、外貨両替や現地通貨の引き出しを行う際は、街中のデリや土産物屋に置かれている怪しげな私設ATM(スタンドアロンATM)は絶対に避け、チェースやバンク・オブ・アメリカといった大手銀行の支店内に併設された厳重なATMを利用するべきだったと痛感しました。また、画面に「自国通貨建て」の選択肢が出た場合は、極悪な独自レートを回避するために必ず「現地通貨(米ドル)建て」を選択するべきだったという知識の不足も深く反省させられました。
トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動
街中の店舗にポツンと置かれた独立系の私設ATMは利用せず、日中の明るい時間帯に大手銀行の支店内に設置された防犯カメラ付きのATMを利用するべきでした。また、ATM画面で換算レートの選択(DCC)を迫られた際は、法外な手数料を避けるために必ず「現地通貨建て」を選択し、トラブル発生時に備えてカード会社の緊急連絡先を事前に控えておくべきでした。





































