両替でゼロの多さに脳がパンクした話
旅行情報
あなたの旅行先の国名・都市名
イラン、イスファハン
あなたが旅行に行った年月
2018年5月
あなたが旅行に行った回数
10回目
あなたの年齢、性別、職業
32歳、女、デザイナー
一緒に旅行に行った人の人数
単独
トラブル体験をした場所
イスファハン中心部、エマーム広場近くの民間両替所(サラフィ)
トラブル内容
「イスファハンは世界の半分」という言葉に導かれ、私はイランへと飛びました。目にしたエマーム広場の青いタイルは、それはもう言葉にできないほど美しく、太陽の光を反射してキラキラと輝くモスクのドームに、私は完全に魂を奪われていました。しかし、そんなうっとりした気分を木っ端微塵に打ち砕いたのが、イラン独自の複雑すぎる外貨両替事情だったのです!
イランは国際的な経済制裁の影響で、クレジットカードが一切使えません。つまり、滞在中の全費用を現金で持ち歩かなければならないという、現代では珍しいサバイバルな旅。私は日本円と米ドルを握りしめ、現地の「サラフィ」と呼ばれる両替所へ向かいました。ここで、私の人生最大級の「やらかし」が発生します。
まず、イランの通貨「リアル」は、桁の多さが尋常じゃありません。当時のレートで、たった100ドルを両替しただけで、目の前には数百万リアルという、映画の強盗シーンでしか見たことがないような札束の山が積み上がりました。この時点で私の脳内は「えっ、私いま大富豪?石油王になっちゃった?」と大パニック。さらに追い打ちをかけるのが、イラン特有の「リアル」と「トマン」という二重の単位です。公称単位はリアルなのに、街中の表記はゼロを一つ取ったトマンが主流。もうこの時点で、数字に弱い私の頭はオーバーヒート寸前でした。
トラブルが起きたのは、両替所で札束を受け取った直後です。窓口のおじさんが猛スピードで数えた札束を渡してくれたのですが、あまりの枚数の多さに、私は「はい、オッケーです!」と、ろくに確認もせず、パンパンに膨れ上がった封筒をバッグに突っ込んでしまいました。なにせここは親切な人が多いイラン、疑うなんて失礼だという謎のポジティブ思考が働いてしまったのです。
意気揚々とバザールへ向かい、一目惚れした美しいペルシャ更紗を購入しようとした時、事件は発覚しました。自信満々にお札を数え始めたのですが、いくら数えても、何度数えても、あるはずの金額に届かないんです。なんと、一番高額な紙幣が数枚、ごっそり足りない!そこでようやく気付きました。さっきの両替所で、私は「魔法」にかけられていたのです。おじさんが超高速で札を数える際、指先のテクニックで数枚を自分の手元に残す、古典的な抜き取りのトラブルに遭っていたことに。
その場で気付かなければ、後から何を言っても無駄です。私はバザールのど真ん中で、数えきれないほどのゼロが並ぶお札を前に、「やってしまったー!」と天を仰ぎました。せっかく「世界の半分」に来たのに、私の手元にあるのは「計算が合わない札束の半分」だけ。自分のあまりの無防備さと、数字への弱さに、笑いが込み上げてくるほどでした。
結局、その日は悔しくて一晩中ホテルの部屋で、リアルからトマンへの換算練習を一人で繰り返しました。でも、翌朝には「これも旅のスパイス!5000円分くらいの授業料で、こんなに強烈なエピソードが手に入ったんだから安いもんよ!」と無理やりポジティブに変換。その後は、どんなに後ろに行列ができていようと、指を舐めてでも一枚一枚、おじさんの目の前でネチネチと数え直す「最強の両替女子」へと進化を遂げたのでした。
トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動
イランのようなインフレ通貨や二重単位が存在する国では、両替した瞬間にその場で、自分の手で必ず全額数え直すべきでした。また、公的なレートと実勢レートの違いを事前に調べ、単位の換算に慣れておくこと。相手がどれだけ親切そうに見えても、お金のやり取りだけは感情を切り離して、シビアに確認する姿勢が不可欠です。





































