世界各国に存在する国立公園。国立公園とは、基本的には自然保護を目的として指定されている公園のことです。豊かで美しい自然が保たれている各国の公園ですが、その特徴は国や地域によって様々。海外旅行の目的として、国立公園巡りというのもおすすめです。今回は、そんな国立公園について解説していきましょう。

国立公園とは?

国立公園の定義

スイスに本部を持つ国際的な自然保護団体のIUCN(国際自然保護連合)が定義する「生態系の保護とレクリエーションを主目的として管理される地域」が国立公園となり、世界に約7000の公園が存在します。その中でも世界最大の公園なのが1974年に設立された“北東グリーンランド国立公園”です。また、その一方でIUCNの定義に縛られることなく独立して国立公園を規定している国も多くあります。

国立公園の歴史

世界で初の国立公園といわれるのが、1872年に当時のアメリカ合衆国大統領ユリシーズ・S・グラントに指定された“イエローストーン国立公園”です。これに続いて1879年にオーストラリアで“ロイヤル国立公園”が、さらに1885年にはカナダで“ロッキー山脈公園(現バンフ国立公園)、1887年にはニュージーランドで“トンガリロ国立公園”がそれぞれ指定されました。
また、ヨーロッパで初めて本格的な国立公園制度を導入したのはスウェーデンで、1909年に“アビスコ国立公園”をはじめ9つの国立公園を指定、さらにアフリカでは1925年に“アルバート国立公園(現ヴィルンガ国立公園)”が指定されました。

世界の国立公園に行く際の注意点

海外旅行で各国の国立公園に行くのであればいくつかの注意が必要です。万全の準備とルールを守って満喫しましょう!

※行く前の準備として
【国立公園入場条件の確認】まずは目的の国立公園の入園可能日時などの確認です。事前予約が必要な場合もあるのでチェック漏れのないようにしっかりと確認しましょう。そして入園が無料か有料かの確認も必須です。また、公園によっては旅行会社などでツアーが組まれている場合もあるので、内容が良いようであれば利用するのも方法です。

【自然の中を歩く服装】公園といっても、国立公園の場合は大自然の中を長い時間歩き回る壮大さがあります。履きなれたスニーカーはもちろん、軽くて動きやすい服装を準備しましょう。また場所によっては急な天候の変化などもあるので、カッパなどの雨具もあると安心。
シップや絆創膏、ミネラルウォーターなどの飲料水も必須です。

【旅行日の現地の状況を確認】公園に行く予定の天候や登山道の状態、場所によっては火山情報などを事前にチェックして、悪天候や悪路になる可能性があるなら予定日を変えるなどの対応を考えましょう。

※公園内での注意点
【公園内の施設の確認】特にトイレの場所の確認が大切です。広い公園内のどこにあるかを把握しておくことで安心して歩き回れます。公園によってはトイレが無い可能性もあるので、その場合には簡易携帯トイレが必須となります。また、休憩施設があるかどうかも要チェックです。

【公園内のものを持ち帰らない】公園内で写真を撮ることは推奨されていますが、石や植物、動物の死骸などを持ち帰ることは絶対にしないこと。野生動物や鳥、昆虫などの生態系に悪影響を与える可能性があります。「ちょっとだけなら…」の勝手な考えが大きな自然破壊に繋がってしまいます。

【野生動物との不適切な接触は避ける】公園内での大きな楽しみのひとつとして野生動物との遭遇がありますが、ここで絶対にしてはいけないことは“餌を与える”ことです。野生動物にエサを与えてしまうと人間への食糧依存に繋がり、野生動物としての自然な行動が破壊されてしまいます。エサを与えると、公園によっては5000ドルの罰金や1年の懲役刑になることもあります。
さらに撫でたり触ったりという動物への接触もNGです。野生動物にとっては未知の接触であり、攻撃的な行動に繋がる危険性や病気や寄生虫が伝染する可能性もあります。

【エチケットを守る行動をとる】例えば大音量で音楽をかけながら、大声で話しながら
歩くという、周囲に迷惑が掛かる行動はNG。当たり前ですが、公園内のものに対して落書き(器物損壊罪)をするなども絶対的にNGです。

美しすぎる!世界の国立公園

ここからはアメリカとヨーロッパのおすすめ国立公園を紹介していきましょう。どこの国立公園も独自の特徴と美しさがあって、大自然の壮大さを思いっきり感じられる場所です。興味が沸いた国立公園に、ぜひ行ってみて下さいね!

アメリカ

【イエローストーン国立公園/アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州】記事の最初で書いた通り、世界初の国立公園であり、アメリカで最も人気のある公園でもあります。地下の浅い部分にマグマがあって、地球の内部を肌で感じられるスポットとして有名です。公園内には200ヶ所以上の間欠泉と1万以上の温泉が点在。熱水を噴き上げるオールドフェイスフル間欠泉やエメラルドグリーンの温泉が楽しめます。

【グランドキャニオン国立公園/アリゾナ州】全長約450kmに及ぶ壮大なる絶景が続く公立公園で、1979年に世界遺産に登録されました。さまざまな色彩の岩や、切り立つ崖が連なる景色が大きな特徴です。展望スポットから壮大すぎる絶景を堪能して、宿泊施設のあるサウスリムでひと休み、が定番の楽しみ方です。

【ロッキーマウンテン国立公園/コロラド州】標高4000m級の山の連なりを楽しめる公園で、園内を走る幹線道路は富士山の頂上に相当する標高約3713mにあります。この道路からの景色は走るにつれで次々と変化していき、森から高山植物の草原に移り変わる様子はまさに絶景です。

【グレートスモーキーマウンテンズ国立公園/ノースカロライナ州、テネシー州】面積約2000㎢で1万種類以上の動植物が存在する、アメリカで最も入場者数の多い国立公園です。北アメリカで最大規模といわれる落葉原生林が園内の大部分を占めていて、霧や雲に包まれた幻想的な景色には心を奪われてしまうでしょう。

ヨーロッパ

【スイス国立公園/スイス】グラウビュンテン州東部にあるスイス国立公園は1914年にオープンしたヨーロッパ最古の国立公園のひとつです。園内には緑の森、険しい山々、深い渓谷があり、さらにゴールデンイーグルやヒゲワシをはじめとする多種の鳥類が生息、アカシカやシャモア、マーモットなどの哺乳類も生息していて、訪れる人々は主に野生動物の観察やハイキングを目的とします。

【ペネダジェレス国立公園/ポルトガル】1971年にオープンしたポルトガル最初で唯一の国立公園です。公園は国の最北端の4つの花崗岩の山塊に広がっていて、訪れた人はオークや松の森、巨石が生い茂る山頂、険しい谷などを歩きます。ここでは野生のポニーが歩き回っていて、飼いならされたポニーに乗ることもできます。また、奇跡のような2000年前の遺跡もあり、時空を超える想いを体感できるでしょう。

【プリトヴィチェ湖群国立公園/クロアチア】東ヨーロッパの中でも、その美しさに息を飲む絶景ナンバー1がブリトヴィチェ湖群国立公園です。湖と滝の迷路や青々とした緑、澄んだ紺色で幻想的な湖、公園内部に位置する16の段々になった結晶の湖など、園内のすべてが見逃せない絶景ポイントとなっています。トレイル(自然環境の中で人が歩くことで形成された小道)で公園を1周するのに6時間、早く異動でも4時間はかかるので、しっかりとした計画と準備で訪れて欲しい公園です。