昔と比べて、そのスタイルや内容が自由になってきている日本の結婚式。では世界ではどうでしょう? 国によって様々な結婚式がありますが中には超ユニークなものも…。今回は、2人の新たなる門出を祝う結婚式の世界の様子をご紹介していきましょう!

国によって異なる結婚式スタイル

日本には日本の風習や文化があるように、世界の国々にも様々な風習、文化があります。共通していえることは、それが結婚式のスタイルに関係しているということです。とはいえ近年では世界でも自由なスタイルの結婚式が増えてきているのも事実です。

結婚式にまつわる、世界のスタイルと風習

変わってはきていますが、日本の結婚式といえば形式に重きを置いて厳粛なイメージがあると思います。それに比べて海外では自由で陽気というイメージが大きいかもしれませんが、決まりごとも多々あるのです。まずは世界の結婚式、披露宴事情や風習を見ていきましょう。

【披露宴で大ダンスパーティ!】欧米で披露宴パーティに欠かせないのがダンス。祝いごとには必ず“ダンス”といっていいほどで、結婚祝いにもダンスです。学生の頃からダンスパーティで盛り上がる習慣があるだけに、結婚となると盛大なダンスパーティになります。

【結婚式は区役所で…?】イギリスにはいわゆる結婚式場といわれる場所がないそうです。だからといって式を挙げなくていいわけではなく、逆に必ず式を挙げる必要があります。宗教上の教会で挙げる他には役所の登記所内で式を挙げますが、1995年からは役所が認可したホテルやレストランでも式を挙げられるようになりました。

【朝まで歌って踊る披露宴】新郎新婦がゲスト客をおもてなしすることを重視しているのがフランスです。お世話になった人たちを招待して新郎新婦と円卓を囲み楽しむという、アットホームな雰囲気が特徴です。さらに披露宴パーティでは、深夜や朝まで歌って踊る宴が続きます。

【お色直しは日本だけ?】日本では当たり前のようにあるお色直し。花嫁がどんな衣装で登場するのかが楽しみではありますが、アメリカやヨーロッパではお色直しの風習がないのが一般的です。海外の人に「そんな無駄な時間要らないじゃん? その時間も楽しもうよ!」といわれそうです。

【誓いの式も外で行なう】映画やドラマの結婚式でよく見るのが、建物の外で神父さんが2人に誓いの言葉を促すシーンですよね。アメリカでもヨーロッパでも式や披露宴パーティは外で行なうことが多いのも特徴です。明るい日差しの中でのお祝いパーティは2人の門出にピッタリです。

【ご祝儀がない代わりに…】ヨーロッパの国で多いのは、ご祝儀がないということです。その代わりに“欲しいものリスト”があって、2人が欲しいものをゲストたちが確認してプレゼント。同じ物にならないように重複チェックもあるそうです。場合によってはご祝儀よりも高価になるかもですね。

【花嫁が幸せになれるサムシング・フォー】欧米には“サムシング・フォー(Something Four)”という習慣があります。この言葉の由来はイギリスの童謡“マザー・グース”の中にあります。これは結婚式で花嫁が以下の4つのものを身につけると幸せになれる、という言い伝えのようなもので、日本の結婚式であやかる人もいます。「絶対幸せになりたいっ!」と願う花嫁の気持ちを具現化したおまじないといえるでしょう。
1、何かひとつ新しいもの
新調した何かを身につける。何でもいいが白いもの(長手袋など)が一般的
2、何かひとつ古いもの
先祖代々受け継がれた宝飾品、祖母や母親の結婚衣装、ヴェールやレース、リボンなどを身につける
3、何かひとつ借りたもの
幸せな結婚生活を送っている友人や隣人から、ハンカチやアクセサリー類を借りて身につける
4、何かひとつ青いもの
純潔を表わす聖母マリアのシンボルカラー、青色のものを身につける。この時には目立たない場所につけるのが一般的で、主に青色のインナーやガーターがベスト

世界の超ユニークな結婚式

世界には日本では考えられないような結婚式があります。自分の式でも取り入れたくなるようなものから、これは無理! と引いちゃうものまで様々です。

【汚くて神聖な結婚前夜祭/スコットランド】結婚式の前夜祭として、1週間前から行なわれる儀式があります。それは…野菜、卵、魚などを混ぜた液体を新郎新婦に思いっきりかけられて、そのままトラックの荷台に乗せられて町をパレードすること。これは悪魔や邪悪な精神を退治する儀式が元で、現在では結婚前の“最後の恥”として忍耐力や謙虚さを身につけるための儀式といわれています。鼻をつまむような匂いと黒く汚れた格好が、強烈なインパクトとして思い出に残るでしょう!

【ホウキをジャンプで飛び越える/アメリカ】結婚式の最中に、新郎新婦がホウキをジャンプで飛び越える“ジャンプ・ザ・ブルーム”という儀式があります。そのルーツは南アフリカの古い結婚式の儀式で、悪霊を追い払うために新郎新婦の頭の上をホウキで振っていたことにあります。さらに昔はアフリカ系アメリカ人の結婚は許されておらず、そのカップルはお互いを支え合う儀式として、故郷アフリカの古い儀式に似た“ジャンプ・ザ・ブルーム”をその証としました。先祖を誇りに思う気持ちが現在でも受け継がれているのです。

【新郎が足でグラスを割る/ユダヤ式結婚式】ユダヤ式の結婚式には、最後にワインを飲み干したグラスを新郎が足で割る習わしがあります。割れたグラスは古代エルサレム神殿がローマ帝国軍に破壊されたことの象徴であり、この哀しみの歴史を忘れないためです。さらに割れたグラスは“2度と独身には戻らない”という意思と願いが込められています。

【超豪華結婚式/インド】結婚式が人生最大のイベント行事とされるインドでは、挙式に1日、披露宴は別の日に行なわれるために、その間の数日間で結婚にまつわるイベントが続いて開催されます。式にかける費用は約700
円から800
円といわれていて、大きな規模の結婚式では来客数が1000人を超えることもあるそうです。超豪華でビッグな結婚式なのです。

【ハート切り抜き競争/ドイツ】大きなシーツに描かれたハートを、新郎新婦がハートの中央から半分ずつ切り抜いていくこの儀式。切り終わったら、新郎が新婦をお姫様だっこでくぐり抜けます。早かったほうが家庭の主導権を握れるとか。

【ウエディングボックス/各国】新郎と新婦が、木箱の中にワインとお互いへの手紙を入れて釘で蓋をします。そして5年後や10年後に2人で箱を開けて、ワインを飲みながら当時の気持ちを手紙で確認し合う儀式です。万が一、2人の間に危機が訪れたタイミングで開けるのもいいかもしれませんね。

【塩たっぷりのパンを食べ合う/ロシア】ロシアの結婚式では、伝統的な丸くて大きなパンに塩をたっぷりとかけて食べ合う儀式があります。塩をたくさんかけるのは、これが人生で最後の辛味であるように、という願いが込められています。そしてたくさん食べた方が家庭での主導権を握れるのです。

【三日三晩トイレ禁止/マレーシア、ティドン族】マレーシアの先住民族、ティドン族の結婚の儀式に、三日三晩の間はトイレに行くのを禁止するというものがあります。これはその間にトイレに行くと離婚や不妊、子どもの死などの悪事が起きるとされているからです。そのために三日三晩はあまり飲食をしないようにしているとか。かなりハードな儀式ですね。

世界の結婚式と独特の儀式。中には自分の結婚式に取り入れたいものもあったかもしれませんね。参考にしてみて下さい。