日本時間の2020年1月31日、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスの感染拡大による「緊急事態宣言」を発表。その後、日本を含む全世界でコロナ渦によるさまざまな規制がかけられるようになりました。そして3年後となる現在でも、緩くなってきたとはいえまだ規制による行動制限が多々あります。
今回は、コロナ渦によって大きな影響を受けた海外への渡航の現状を考えていきたいと思います。

海外に行くために必要な準備とは?

昨年2022年の後半から2023年に入って、海外への渡航の規制もだいぶ緩和されて海外旅行へも行きやすくなりつつあります。とはいえ日本と海外の国々では規制の内容が異なることから、旅行計画の段階で行く予定の国の規制内容についてしっかりチェックすることが必要となります。

国によって違う規制を把握する

日本と同様に世界各国でも、昨年後半から他国からの入国条件は刻々と変わってきていますが、各国では入国は可能だけど「ワクチン接種証明書」が必要というパターンが大半です。行きたい国や地域が決まっているなら、お目当ての国のコロナウイルス関連の規制内容をチェックしてその準備をする。とにかく海外旅行に行きたいのであれば、コロナ渦の影響が低くなり規制緩和が進んでいる国を探すなどの配慮が大切です。

ポイントとなる「ワクチン接種証明書」

現在、海外へ行きたいと思っているのであれば、念のために「ワクチン接種証明書」は取得しておいた方がいいでしょう。国によっては接種証明書が不要な場合もあるでしょうが、証明書を取ってあれば旅行に行く国の選択肢も拡がり、さらに色々な場面で役立つ可能性もあります。

【ワクチン接種証明書の交付申請の流れ】
※対象となる人は?
対象は日本国内でコロナワクチンを接種済の人です。海外でワクチンを接種していても対象とはならないので注意しましょう。ちなみに、以前は海外への渡航が目的の場合のみの交付でしたが、現在では日本国内での使用目的でも取得できます。

※接種証明書の目的と種類
ワクチン接種証明書は、コロナウイルスワクチンを接種していることを証明してくれる書類で“ワクチンパスポート”とも呼ばれています。証明書の種類は前述したように「海外渡航用」と「国内用」の2種類。そして2種類共に申請による紙の証明書と、スマホ専用のアプリで表示するデジタル証明書があります。

「海外渡航用」
日本と外国を行き来する時にワクチン接種を証明できます。ただし外国の飲食店、ショップなどで個別に規制がある場合には証明書があっても入店できない場合もあります。

「国内用」
日本国内用では、旅行支援など割引施策を利用する時や、自治体や企業のワクチン接種特典を受ける場合に使えます。また、国内ではワクチン接種会場で接種後に発行される「接種済証」も接種証明として有効です。

※紙とアプリの接種証明書の取得方法
接種証明書は、予防接種法に基づいて各市町村で実施された新型コロナワクチン接種を受けたという事実を公的に証明するもので、被接種者からの申請で交付されます。また、現在デジタル交付が増えていますが、これまでの紙の接種証明書も引き続き有効です。ただし、国によっては二次元コードが必要な場合もあるので、渡航先の国の情報を確認しておきましょう。

【紙の接種証明書(市町村の役所)】住んでいる市町村の窓口に必要書類「申請書/海外渡航時に有効なパスポート/接種券番号が記載された接種済証など」を提出して申請。郵送申請、オンライン申請も可能です。

【紙の接種証明書(コンビニ)】コンビニのマルチコピー機などの店舗内端末から申請。この時にはマイナンバーカード(要暗証番号)と発行料(120円)が必要です。

【デジタル接種証明書】スマホの専用アプリから申請。必要書類は「マイナンバーカード(要暗証番号)/海外渡航時に有効なパスポート」です。

申請時のポイントとしては、「コンビニでの申請」と「デジタル申請」には“マイナンバーカードが必須ということです。もし持っていないのであれば、各市町村の役所で申請しましょう。

現時点での各国の規制状況

この記事は2023年2月15日に執筆していますので、その時点での各国の規制状況をまとめています。今後も規制状況は変わってくるので、海外旅行を考えているならその時点での状況を確認して下さいね。

海外渡航用の接種証明書が使える国や地域

2023年1月18日時点で、外務省から発表されている接種証明書が使える国や地域です。これらは入国時に有効であり、現地の公共施設やショップでは異なる場合があることを覚えておいて下さい。

【アジア】インド/インドネシア/韓国/カンボジア/シンガポール/スリランカ/タイ/台湾/ネパール/パキスタン/バングラデシュ/東ティモール/フィリピン/ブータン/ブルネイ/ベトナム/香港/マカオ/マレーシア/ミャンマー/モルディブ/モンゴル

【大洋州】サモア/ソロモン諸島/トンガ/ニュージーランド/パプアニューギニア/パラオ/フィジー/マーシャル諸島

【北米】カナダ/米国

【中南米】アルゼンチン/英領バミューダ/ウルグアイ/エクアドル/エルサルバドル/キューバ/グアテマラ/グレナダ/コスタリカ/コロンビア/ジャマイカ/セントクリストファー・ネービス/セントビンセント/チリ/ドミニカ共和国/ドミニカ国/ニカラグア/パナマ/パラグアイ/バルバドス/ブラジル/ベリーズ/ペルー/ホンジュラス

【欧州】アイスランド/アイルランド/アルバニア/アルメニア/アンドラ/イタリア/エストニア/オーストリア/オランダ/カザフスタン/キプロス/ギリシャ/キルギス/クロアチア/コソボ/サンマリノ/ジョージア/スイス/スペイン/スロバキア/スロベニア/チェコ/デンマーク/ドイツ/トルクメニスタン/ノルウェー/バチカン/フィンランド/フランス/ブルガリア/ベラルーシ/ベルギー/ポーランド/ボスニア・ヘルツェゴビナ/マルタ/モナコ/リトアニア/ルーマニア/ルクセンブルグ

【中東、北アフリカ】アラブ首長国連邦/イスラエル/イラク/オマーン/クウェート/チュニジア/トルコ/バーレーン/レバノン

【サブサハラ、アフリカ】アンゴラ/エチオピア/カーボベルデ/ガボン/ザンビア/シエラレオネ/セーシェル/タンザニア/モーリシャス/モーリタニア/リベリア/ルワンダ

海外旅行で人気の国の規制状況

接種証明書が有効な国とは別に、海外旅行で人気のある主な国の入国規制状況です。海外旅行計画の際に確認しましょう。

※アメリカ本土(2023年1月6日時点)
ワクチン接種証明書が必要
※ハワイ(2023年1月6日時点)
ワクチン接種証明書が必要
※グアム(2023年1月6日時点)
ワクチン接種証明書が必要
※タイ(2022年9月30日時点)
入国規制なし。ただしワクチン接種は推奨
※イギリス(2023年2月7日時点)
入国規制なし
※フランス(2023年2月7日時点)
入国規制なし
※ドイツ(2023年2月7日時点)
入国規制なし
※イタリア(2022年10月3日時点)
入国規制なし
※オーストラリア(2023年2月2日時点)
入国規制なし

刻々と変わるコロナ渦の状況なので、各国の規制もそれに習って対応は変化していきます。
海外旅行に行く際には、その時点での旅行先国の状況をしっかりとチェックしましょう。
外務省や厚生労働省のコロナ関連サイトが信頼できるので、要チェックです。

外務省 海外安全ホームページ(接種証明書使用可能国一覧)
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/certificationlist.html

外務省 海外安全ホームページ(日本からの渡航者に対する入国制限措置一覧)
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html

厚生労働省(新型コロナウイルス予防接種証明書について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_certificate.html