日本人ならほとんどの人が大好きな温泉。美しい景色を見ながら、または効用を楽しみながらゆっくりと暖かい湯に浸かる温泉は、代表的な日本文化のひとつではないでしょうか。ですが、海外にも温泉があるのを知っていますか? 実は温泉は日本だけのものではないのです。日本とは異なる、世界の温泉の素晴らしさをご紹介していきましょう。

日本と海外での温泉の入り方の違い

海外の温泉は男女関係なく水着で入るのが主流

日本の温泉というと、どちらかといえばお風呂の延長線上にあるイメージがありますよね。髪の毛や身体を洗うなど普段お風呂ですることと共に、温泉ならではの特徴を楽しみながらお湯の中でゆったりくつろぐという感じでしょう。そして大きなポイントとしては、男女別に入ることです。日本ではお風呂も温泉も裸で入るのが常なので、これは当然のことです。もちろん混浴もありますが、「混浴」という言葉を使うこと自体、男女が一緒に入る“特別な温泉”というイメージがあると思います。
では海外ではどうかというと、温泉は「プール」や「スパ」の概念といえるでしょう。お湯に浸かる「お風呂」事態、海外では少ないので、外国人は水では無く、暖かいお湯に浸かる「温泉プール」という感覚で楽しみます。ですので温泉に入るときもプール同様に水着を着て、男女の区別無く一緒に入るのが主流です。そして日本の温泉のように静かにくつろぐというよりは、みんなで一緒にワイワイと入るのが海外の温泉の特徴と考えていいでしょう。

海外の温泉は主にヨーロッパとアジアに多い

海外の温泉は、地形的な源泉の多さからアメリカよりもヨーロッパやアジアに多くあります。そしてレジャーの他には療養地ということをより全面に出しているのも特徴です。中でもドイツやフランス、オーストリア、東欧諸国では温泉療法の研究も行なわれていて、温泉医療に健康保険が適用されています。これも日本とは大きな違いですね。またアジアでは台湾に温泉が多くあり、その数は100ヵ所以上で昔から療養や治療目的の場所として身近な存在です。温泉大国は日本と言いますが、世界にも多くの温泉文化があるということなのです。

一度は入りたい、世界の極上温泉

海外旅行に行って各国の温泉に入るなら、そのポイントはどちらかというと温泉の効果よりは景色ということになるかもしれません。日本でも美しい風景が見られる温泉も多々ありますが、海外では日本とはスケールが違う風景の温泉もあります。世界にある代表的な8つの温泉を紹介しましょう。

1・ブルーラグーン/アイスランド

温泉に浸かりながらオーロラを堪能!

火山の国とも言われるアイスランドは世界的な温泉大国としても知られています。その中での代表的な温泉がブルーラグーンです。5000㎡以上の広さを誇る世界最大の露天温泉で、ミルキーブルーのお湯が特徴です。温泉の温度は少しぬるめなので、長時間入っていてものぼせる心配は少ないです。夜間営業もしているこの温泉には、ぜひ10月から3月のオーロラシーズンに来て極上のひとときを過ごしたいところです。

2・北投温泉/台湾

3種類の湯質が楽しめる!

台北市内からMRTで40分の場所にある北投温泉はドイツ人が発見した温泉で、日本同様に硫黄の匂いが立ちこめる温泉街にある温泉です。緑が溢れる街にはホテルや旅館、公衆浴場などと施設も充実していて、日本人にも馴染みやすい温泉街といえます。北投温泉には3種類の湯質があるので、湯巡りが楽しめます。

3・セーチェーニ温泉/ハンガリー

計18ヵ所もある巨大温泉施設

ブタペストにあるヨーロッパ最大の温泉がセーチェーニ温泉です。観光客だけではなく、市民からも人気のセーチェーニ温泉には、露天温泉3ヵ所、屋内温泉15ヵ所の計18ヵ所が楽しめます。露天温泉で日本とは異なる景色を楽しむのがオススメ。温泉に浸かりながらチェスをする人が見られるのも、異国情緒です。

4・ヒエラポリス遺跡・パムッカレ温泉/トルコ

世界遺産の中で極上体験!

世界遺産ヒエラポリス・パムッカレにある貴重な温泉です。古代のローマ人が温泉好なのは、日本のコミックやドラマ『テルマエ・ロマエ』で周知のところですね。白い石炭棚にできたのがパムッカレ温泉で、石炭棚の上部にあるのが温泉プールパムッカレ・テルマルです。温泉プールの底にはローマ時代の遺跡が沈んでいるといい、世界遺産の中で温泉に浸かれる極上体験はここでしか味わえません。

5・クロントム温泉/タイ

秘境の中の大自然温泉!

タイの秘境にあるビーチリゾート・クラビから約1時間の場所にあるクロントム温泉は、熱帯ジャングルの中にある川がそのまま温泉になっています。川自体が天然温泉なので、まさに大秘境の中で自然の温泉を堪能できるというわけです。その近くには自然にできたプールもあり両方を楽しめるのもポイントです。

6・ロトルア/ニュージーランド

間欠泉や湖を眺めながらの温泉!

多くの温泉が湧き出ているニュージーランドの中でも、観光客の一番人気温泉地がロトルアです。30メートルも吹き上がるポフツ間欠泉が有名で、他にもロトリア湖畔にある施設ポリネシアン・スパでは美しい湖を見ながら温泉に浸かれます。また、26種類もある温泉プールも見逃せないところでしょう。

7テルマス・デ・ポルケス/ボリビア

世界で最も高い所にある温泉!

南米中央部にある国ボリビアのテルマス・デ・ポルケスの温泉は、標高約4500mという世界で最も高所にあります。周辺には活火山も多く、間欠泉などが多くあります。標高が高いので空気が冷たいのですが、温泉に浸かれば問題なし。あまりに広大な光景は、日本では絶対に見られません。ただし、高山病には気をつけたいところです。

8・ヘーヴィーズ温泉/ハンガリー

湖が温泉に!

ヘーヴィーズ湖は自然にできた温水湖です。ぬるめの温泉ではありますが、その分長く入っていられそうです。この温水湖はなんと古代ローマ時代にまで遡り、2000年の歴史がある由緒正しい湖でもあるのです。2000年前を想いながら温泉に浸かるというのも、他では中々体験できるものではありませんね。

以上、8つの温泉以外にも、世界にはまだまだ極上な温泉が多くあります。今現在は海外旅行へは行きづらい状況ではありますが、海外旅行解禁の折には、ぜひ世界の温泉に行ってみて下さい。その時を楽しみに、いろいろ検索してチェックしておくといいでしょう!