“ヒッチハイク”という言葉は知っていると思いますが、日本ではあまり見かけないし、海外でヒッチハイクなんて怖すぎて考えられない、と思っているのでは? ですが、海外では普通に行なわれているヒッチハイクは、その方法さえしっかり覚えれば特別な時間を過ごすことができるのです。今回は、海外での“ヒッチハイク”についてご紹介していきましょう!

ヒッチハイクの基本を知ろう

ヒッチハイクとは?

まずはヒッチハイクの基本からです。ヒッチハイク(Hitch hike)とは、通りがかりの車に無料で乗せてもらい、目的地まで同乗させてもらう行動のことです。このヒッチハイクで旅をすることをヒッチハイキング(Hitchhiking)、その旅行者をヒッチハイカー(Hitchhiker)といいます。
ヒッチハイクは1960年代のアメリカでヒッピーたちが始めたといわれていて、お金のない当時の若者たちはヒッチハイクによって無銭旅行を楽しみました。自由を求める彼らのスタイルが世界中に拡がっていき、ヒッチハイクはスタンダードなひとつの旅行の形となりました。

ヒッチハイクの種類

ヒッチハイクの方法は基本的に3種類あります。
【親指を立てる】海外のドラマや映画でよく見るのが、親指を立てるです。道路の端に立って、親指を立てた手を挙げて運転手にヒッチハイカーであることをアピール。これを見て止まってくれた車に同乗させてもらいます。この方法だと行き先は乗せてくれた車次第なので、行き先が決まっている場合には不向き。交通機関がない場所などでどこかに移動したい場合に便利な手段といえます。ちなみに親指を立てるのはヒッチハイクのアピールなのですが、この時に人差し指などを立てることは絶対にしないこと。ヒッチハイク時のマナー違反です。

【行き先を提示する】画用紙などの大きめの紙に自分が行きたい都市名や駅名などを書いて掲げます。これはヒッチハイカーの一般的な方法で、行き先が解ることでヒッチハイカーも目的地に行けるしドライバーも方向的に乗せるかどうかが決められるので親切な手段です。

【直接交渉する】止まっている車のドライバーに直接交渉するこの方法は、海外ではあまりポピュラーではないのですが、日本国内のパーキングエリアなどでは有効な手段になります。

ヒッチハイクをする時の注意事項

自由気ままな旅行ができるヒッチハイクですが、いくつかの注意点は覚えておく必要があります。
【好意で乗せてもらうのがヒッチハイクの基本】ヒッチハイクはあまりお金を持っていない若者たちが旅をするための手段であり、乗せる方はそんな若者たちを支援する意味を持って同乗させてくれます。この好意に対して失礼な態度を取ったり、了解もなしにタバコを吸ったりというのは完全にマナー違反。ヘタをすると途中で降ろされる可能性も…。

【ヒッチハイクは国や地域によっては禁止されている】今や世界中で行なわれているヒッチハイクですが、ヒッチハイクによる強盗や連れ去り、レイプ、暴行などの事件が多発してきたのも事実です。このことから、国や地域によってはヒッチハイクを法律で禁止している場合もあります。これを知らずにヒッチハイクをすると警察に捕まるので要注意。ヒッチハイクを目的に海外旅行に行くなら、事前に禁止かどうかの確認をしておきましょう。

【ヒッチハイクでの危険性】ヒッチハイクをする上で“100%安全”ということはいえませんが、安全にする方法はあります。

※適当なヒッチハイクは厳禁
基本的に日本人が海外で「疲れたから…」などの適当な理由でヒッチハイクすることは厳禁です。お金や物を要求されたり、これを断ったことでそのまま何処かへ連れ去られる可能性も否定できません。

※女性(男性も)ひとりでのヒッチハイクは危険度が高い
女性ひとりのヒッチハイクは十分な注意が必要です。“知らない所に連れて行かれる”“言い寄られる”“性的な欲求を求められる”など、さらにこれらを拒否するとお金を要求されたりすることもあり得ます。女性の場合にはひとりではなくヒッチハイク仲間と一緒にすることが重要です。ドライバーが女性の車や、子どもが乗っているような家族連れにアピールするのも安全な方法です。近年では女性に限らず男性でも危険なことが多いので、ひとりヒッチハイクはなるべく避けた方が無難でしょう。

※ヒッチハイクは日中に!
夜の移動はヒッチハイクに限らず危険度が増します。さらに周囲が暗く、明かりの反射などでドライバーもヒッチハイカーに気づきにくくなります。「ヒッチハイクしている時に犯罪者に襲われても誰も解らない」「ドライバーが気づかずに車に引かれてしまった」という事件事故もあるので、夜のヒッチハイクはNG、と覚えておきましょう。

※車に乗ったあとも用心はしておく
好意で車に乗せてくれるのがほとんどではありますが、中にはやましい目的を持っているドライバーも存在します。同乗したあとに“話し方に違和感を感じる”“個人情報をしつこく聞いてくる”“身体をジロジロと見てくる”など、危険を感じたら何かしらの理由をつけて途中で降ろしてもらうことも大切です。

海外で安全にヒッチハイクをするために…

ヒッチハイクの準備

【持っていくもの】
※水と食料
ヒッチハイクは成功する時間が読めません。数十分や数時間の場合もあります。長時間待つことになった時のためにも、飲食物は多めに用意しておきましょう。

※季節に合わせた衣服
ヒッチハイク中は野外にいることになります。場所にもよりますが夏の暑さや冬の寒さに耐えられるだけの衣服類は必須です。もし少しでも体調が悪くなったようなら即座に中止すること。鎮痛剤や胃腸薬なども携帯しておくと安心です。また、明るくて清潔感のある服装だとヒッチハイクが成功しやすくなります。第一印象を良くするための服装も心がけましょう。

※目的地を示す紙と執筆用具
大きめの画用紙と油性マジックなどは必需品です。目的地をかざして車を停めるので、なるべく太く大きい字で画用紙に書きます。また、かき消しできるホワイトボードもおすすめです。

※寝袋や緊急用のテント
景色はいいけど街から離れている場所でのヒッチハイクや、車に止まってもらえずに夕方を過ぎた場合などのために、野外で朝まで一泊できる寝袋や簡易テントを持っていると安心です。

※ドライバーへのプレゼント
ドライバーへのちょっとしたプレゼントを用意しておくのも好印象です。豪華な物ではなく、ちょっとしたお礼の意味でお菓子や折り紙などがいいでしょう。日本を感じさせるものが喜ばれるかもしれませんね。

ヒッチハイクの手順

【目的地を決める】行き当たりばったりのヒッチハイクは、かなり経験を積まないと色々な意味で危険が伴います。まずは目的地を決めておきましょう。最終目的地を決めたら、そこまでのルートを見据えて中間地点も考えます。長距離になると、トラックなどではない限り1回のヒッチハイクで最終目的地に行くのは難しくなります。ある程度小刻みな距離で数回に分けてのヒッチハイクが現実的でしょう。

【ヒッチハイクする場所を決める】国や地域によって道路事情は様々ですが、ヒッチハイクする場所は、
※車の数が少なすぎず多すぎない道路
※路肩に停車できるスペースがある広さの道路
※長距離トラックがよく通る国道
がおすすめです。車の数は少ないのは論外ですが、多すぎても止まりづらいので避けたいところ。さらに停車したくても路肩の停車スペースがないと止まれません。ドライバーの立場も考えて、ヒッチハイク場所を決めるようにしましょう。

【男女ペアのヒッチハイカーが最適】男同士だとドライバーが用心するし、女性同士だと危険度も高くなることを考えると、男女ペアでのヒッチハイクが最適です。これならドライバーも安心するので成功率も上がります。

最後に、ヒッチハイクのためのサイト「Hitch Wiki」をご紹介します。これはヒッチハイカーのための専用サイトで、世界中のヒッチハイカーたちがその経験からヒッチハイクスポットなどをシェアしてくれています。基本は英文なので、翻訳機能で日本語にして使いましょう。

Hitch Wikiサイト
https://hitchwiki.org/fr/Accueil