海外での各交通機関は、その利用方法が日本とは異なる部分も多く戸惑うこともあるかもしれません。ですが、その国での基本的な利用法さえ覚えておけば、必要以上に怖がることはありません。
今回は、海外旅行者がよく使う交通機関の利用法タクシー編です。国によって違いはありますが、まずは日本とはどう違うのかを覚えることから始めましょう。

タクシーは安全第一を考える

海外旅行で利用する頻度のいちばん高いのがタクシーですが、他の交通機関とは違い、運転手に行き先を伝えたり距離によって異なる料金を支払うなどで敷居が高いかもしれません。タクシーの場合、運転手との会話も大切なので、使える英会話フレーズなども含めて紹介していきましょう。

タクシーの基本的な利用方法

安全な乗り方

タクシーは地域によっては営業無許可で走っていることもあり、ボッタクリや荷物の持ち去りの可能性もあります。特に日本人観光客は狙われやすいので、トラブルに巻き込まれないためにも営業許可を取っている安全なタクシーに乗るように心がけましょう。乗る方法は4つありますが、いちばん安全な方法をとることがポイントです。

1、人に頼んで呼んでもらう
人といっても見知らぬ通行人などではなく、ホテルや飲食店の従業員ということです。この方法であれば営業許可のある会社のタクシーなので安全度はいちばん高いでしょう。乗車料金は多少高くなることもありますが、安全には変えられません。特に海外初心者は、この方法をオススメします。また、利用しているホテル以外でも呼んでくれるので、臆せずに頼みましょう。この場合には従業員にチップを渡すのを忘れずに!

2、タクシー配車アプリを使う
タクシー配車アプリを使うのは現代ならではの方法です。有名なところでは「Uber(ウーバー)」や「Grab(グラブ)」、「Lyft(リフト)」「Bolt(ボルト)」などがあるので、旅行先で使えるアプリをダウンロードしておくといいでしょう。これらのアプリは、運転手が自分のIDを登録する必要があるので安心度が高く、お客さんからの評価がダイレクトに反されるのでマナーがいいことも多いです。使い方さえ覚えればかなり便利です!

3、タクシー乗り場に行く
街中でタクシーに乗る場合には、無許可タクシーが利用できないタクシー乗り場を探して乗るのが安全です。外出前に旅行会社スタッフやホテルの従業員などに、乗り場の場所と現地で安全なタクシー会社を聞いておきましょう。

4、流しのタクシーを拾う
いちばん簡単であり、いちばん危険性の高いのが流しのタクシーです。無許可タクシーに乗ってしまう可能性があるので、車を綺麗にしてあるか? 運転手の雰囲気はどうか? などを確認することが大切です。比較的安全と言えるのが女性ドライバーなので、覚えておきましょう。
国によっては流しでも比較的安全にタクシーを拾えるところもあるので、利用する時にはフロントガラスや助手席のダッシュボードなどに“TAXI”“FOR HIRE”などの表示がある空車を探しましょう。止める時には日本同様に手を挙げればOKですが、親指を立てる止め方はNG。トラブルの元です。

乗車時の対応

※タクシーに乗る
海外のタクシーは基本的に自動ドアではないので、自分でドアを開け乗ります。荷物があれば運転手に伝えて、これも自分で積み込みます。場合によって積んでくれることもありますが、その時は確実に積んでくれたかを確認しましょう。

※行き先を伝える
いちばん大切な行き先の伝え方ですが、口頭では慣れていないと正しく伝わらない可能性もあるので、現地語で書いてある場所名と住所を見せるのが確実です。地図やメモ、ホテルの名刺などを見せましょう。自動翻訳機を使うのもアリです。

※料金の支払い
目的地に着いたら料金を支払いますが、海外ではタクシーを降りて運転席の窓側から渡す方が無難。日本のように支払ってから降りてもいいのですが、荷物を降ろさずにそのまま走り去ることもあるからです。もちろん地域によって異なるので、時と場合によって使い分けましょう。ホテルで支払いなどの方法を聞いてみるのもいいと思います。また、お釣りはあまり期待できないので、小さい額のお金を用意して請求金額ピッタリで払うようにしましょう。地域によってはチップがいるので、その場合には料金よりも多少多めに“お釣りはいりません”と気持ちよく支払うことも必要です。

タクシー利用時のポイント

海外ではタクシー料金はさほど高くなく、現地の人たちも日常的に利用する交通機関です。ほとんどは普通に利用できますが、中には危なそうな運転手がいるのも事実。万が一トラブルに巻き込まれて抗議するなら、人の多い街中ですること。命の危険があるようならお金はあきらめてすぐに立ち去りましょう。

※タクシーで使える英会話
目的地は地図やメモを見せるとしても、運転手とのある程度の会話は必要不可欠。基本的英会話を紹介しておきましょう。

タクシーを呼んでもらえませんか?
Would you coll me a taxi?

〇〇〇〇に行きたいのですが?
Could you take me to 〇〇〇〇(目的地名)?

(住所を見せて)ここへお願いします。
Please go to this address.

荷物をトランクに入れて下さい。
Could you put these bags in the trunk?

急いでもらえますか?
Can you hurry up?

〇〇〇〇までどれくらい時間がかかりますか?
How long will it take to the 〇〇〇〇(目的地名)?

ここで降ろして下さい。
Let me off here,please.

料金はいくらですか?
How much is the fare?

お釣りはいりません。
Keep the change.

領収書はもらえますか?
May I have a receipt,please?

代表的な国のタクシー事情

タクシー事情は国によって異なります。最後に代表的な国々でのタクシーを紹介しておきましょう。

ニューヨーク(アメリカ)

世界でも有名な“イエローキャブ”が走っているニューヨーク。黄色い車体の“イエローキャブ”は、マンハッタン通りなどで流しのタクシーを拾えます。車体の屋根のナンバーが光っていれば空車。チップが必要なので気をつけましょう。

ロサンゼルス(アメリカ)

ロサンゼルスでも“イエローキャブ”が多いですが、ニューヨークとは違い流しのタクシーは走っていません。LAではホテルやレストランでタクシーを呼んでもらいます。また、正規のタクシーは営業許可の印である丸いシールを貼っています。

ロンドン(イギリス)

伝統的なタクシー“ブラックキャブ”が有名なロンドンでは、タクシー運転手は地位の高い職業です。流しを拾うこともできますが、乗車前に行き先を伝えることが必要で、場合によっては乗車拒否されることも。また、料金は車を降りて窓越しに払うのが一般的。その際にはチップが必要です。

パリ(フランス)

パリでは流しのタクシーは基本的に認められていないので、タクシー乗り場やホテル、レストランで呼んでもらいます。また、治安がいいとは言えず、中にはタクシーの窓を割って乗客の荷物を盗む輩も…。正規のタクシーは車の屋根にタクシーランプがあります。

オーストラリア

オーストラリアのタクシーは白色です。基本的には流しのタクシーは走っていないので、ホテルやレストラン、タクシー乗り場から乗ります。ポイントとしては料金体制がしっかりしていてぼったくりの心配が少ないこと、ひとりで乗る場合には助手席に乗る、ということがあります。もちろん断って後部座席に乗ることもできます。

インドネシア

インドネシアでは青い車体の“ブルーバードタクシー”が大手で安全。渋滞が多い国なので、時間に余裕をもって乗ることが大切です。流しのタクシーも走っているので、屋根のランプが消えている空車を手を挙げて拾います。

フィリピン

フィリピンも流しのタクシーが走っているので手を挙げて拾えますが、ぼったくりも多いです。特に外国人相手だと不正請求することもあり、乗車時にメーターの計測ボタンを押したかの確認が必要です。お釣りがないことも多く、小銭の用意は必須。東南アジアの国ではチップは必要ないのですが、フィリピンでは少額を渡すのが基本です。

香港

香港では3つの車体の色のタクシーがあり、「赤」は香港島と大陸側の九龍エリア、「青」は空港とランタオ島エリア、「緑」は大陸側の中国と接する新界エリアとそれぞれで行き先が決まっています。間違った行き先を伝えると乗車拒否もされます。また、後部座席もシートベルト着用が義務付けられています。

韓国

韓国では、黒の車体に黄色の屋根の“模範タクシー”と、シルバーの車体に青色の屋根の“一般タクシー”の2種類が走っています。一般の方が料金が安めですが、模範タクシーは割高な分サービスが良く、日本語の話せる運転手も多いです。他にも外国人専用の“インターナショナルタクシー”があり、予約して利用できます。