列車の乗り降りに利用するのが鉄道駅ですが、世界のあちこちにある各駅には、他では見られない特徴を持つ場所も多数あります。
駅は、その町の特徴を表わす代表的な施設のひとつと言えます。せっかくの海外旅行でもあるので、チャンスがあれば訪れる国の鉄道駅に立ち寄ってみるのも楽しいでしょう。

今回は、鉄道ファンならずとも驚きや感動が味わえる世界の鉄道駅を紹介していきましょう。

海外での鉄道旅行のポイント

海外旅行の際に鉄道を利用するというのは、ツアーだとあまりないかもしれません。
鉄道に取りたいなら個人旅行になりますが、長距離列車などを利用する旅行計画を立てて各地域を巡る合間に、それぞれの鉄道駅を体感する、というのが現実的かもしれません。

鉄道旅行の楽しさは?

航空機は便利ですが、窓の外は空ですし、あっという間に目的地に到着します。
ですが鉄道の場合、駅での乗り降りや走っている間は車窓からの景色を堪能することができます。
車窓からの風景は様々で、その地域でしか見ることのできない独自の雰囲気が楽しめます。
さらに、航空機とは異なり、鉄道の外観を間近で見ることができるのもポイントです。
また、世界の鉄道車体のデザインを見てそれに乗ることは、鉄道ファンならずとも忘れられない体験になることでしょう。

さらに詳しい鉄道旅行のポイントは、以下のコラムを参照して下さいね。

海外旅行!列車の旅で車窓から世界の風景を楽しむポイント
https://www.interbank.co.jp/column/200490/

一度は行ってみたい、世界の鉄道駅

世界にある多数の駅の中から、海外旅行に行くなら一度は行ってみたい魅力的な鉄道駅を抜粋して紹介します。
どこも行けるチャンスがあるなら逃したくない鉄道駅ですよ!

アントワープ中央駅/ベルギー

1803年に始めて列車が到着したという、歴史深いアントワープ中央駅は、その後の改築で現在の建物になったのが1905年です。
この駅はベルギー国内だけではなく、フランス、オランダ、ドイツと直接繋がっているので、ヨーロッパへの海外旅行時には訪れるチャンスが多いかもしれません。
ドーム型の屋根の下は大きな広場となっていて、その美しさから“鉄道の大聖堂”と呼ばれています。重量感のある装飾の数々は必見!
また、構内には王宮のような豪華なカフェもあり、ちょっとした軽食も楽しめます。

駅のすぐ横には動物園や、ダイヤモンドを取り扱うショップが並ぶ「ダイヤモンドストリート」があるので、時間があるなら訪れてみるのもいいでしょう。

セントパンクラス駅/イギリス・ロンドン

セントパンクラス駅は、イギリス、フランス、ベルギー間を走る国際高速列車“ユーロスター”の終着駅です。
1868年に造られたまるで宮殿のような建物は、深い歴史を感じさせてくれます。
構内は明るく開放的な雰囲気で、レストランやカフェの他にもスーパーや各ショップが建ち並びます。
さらに構内のあちこちにはピアノが置いてあり自由に弾けるのも特徴です。ネット動画にある駅でのピアノ演奏はセントパンクラス駅も多いです。

この駅ではTubeの愛称で呼ばれるロンドンの地下鉄にも接続しているので、記念に乗ってみては?

グランド・セントラル駅/アメリカ・ニューヨーク

1871年に開業したグランド・セントラル駅は、44面67線が乗り入れる広大なプラットホームが地下にあるマンハッタンで最大の駅です。
外観にはフランスの彫刻家の手による彫刻と時計台があり、ティファニーのガラスが使われています。さらに総大理石の床や12星座が描かれている天井など、超ゴージャスな雰囲気を醸し出しています。
この駅の最大のポイントは、名物のオイスターバーです。1913年に創業されたこのレストランでは、クラムチャウダーや生牡蠣を食べることができます。
ニューヨークのランドマークとも言われる駅舎内の喧噪の中で、レトロな雰囲気に包まれる異空間的存在です。

パリ北駅/フランス・パリ

ロンドン-パリ間を結ぶ高速列車“ユーロスター”が発着するパリ北駅は、お城のような外観と三角屋根の開放的な駅舎内でできています。
この駅は、シャルル・ド・ゴール空港から列車でパリに行く際の玄関口になっていて、パリの主要ターミナル駅のひとつです。
ヨーロッパの鉄道駅の中でも最多の利用客数を誇るだけに、広大なプラットホームが特徴なので、見知らぬ土地で迷子にならないように要注意です!

アトーチャ駅/スペイン・マドリード

スペイン新幹線や特急、国鉄近郊線、地下鉄などが乗り入れるアトーチャ駅は、マドリードの中心的存在で、ドーム形の駅舎内には広大な植物園があるという珍しい駅です。
外観は19世紀ヨーロッパの典型的な鉄道駅という造りで、ぜひ写真に収めておきたいところ。内部はレンガや石、ガラスなどを使用してあり、カフェやレストランを始め様々な商業施設も利用できる伝統と現代の利便性をマッチさせた駅になっています。
旅行先での癒やしの空間として、観光に出かけるのもアリでしょう。

クアラルンプール駅/マレーシア・クアラルンプール

1886年に開業したクアラルンプール駅は市内最古の駅であり、その外観はインド・イスラム様式の優雅な佇まいをしています。
2001年にはクアラルンプール・セントラル駅が開業、今では旧駅舎として観光名所になっています。
また、駅周辺にはホテルも多数点在しているので、アクセス的にも便利。まるで宮殿のような真っ白な外観はインスタ映え確実ですし、マレーシアに行くなら観光計画に入れておきたい場所ですね。

シルケジ駅/トルコ・イスタンブール

シルケジ駅はイスタンブールのヨーロッパ側にある駅で、国内列車、市内列車の他にもヨーロッパからの国際列車が乗り入れています。
駅構内にはショップやレストラン、さらにイスタンブール鉄道博物館があります。
博物館には、映画などでもお馴染みの世界的に有名な豪華列車「オリエント急行」の写真や備品、資料が展示されています。

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅/インド・ムンバイ

ムンバイ近郊の列車や長距離列車も乗り入れているチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧名ヴィクトリア・ターミナス駅)は、2004年に世界文化遺産に登録された駅で、登録後も現役の駅として多くの人々が利用しています。
建築様式はヴェネツィア・ゴシック建築様式で、その外観は超豪華! 駅構内には“進歩の女神像”の彫刻があり、“ヘリテージ・ギャラリー”も一般に公開されています。
夜には駅自体がライトアップされて、その姿は壮麗で一見の価値ありです。

ストックホルム中央駅/スウェーデン・ストックホルム

スウェーデン最大のターミナル駅であるストックホルム中央駅は、北欧諸国の交通の拠点で、1957年には地下鉄駅も開通しました。
地下鉄の駅は地下鉄アートの発祥の地であり、様々なアートを見ることができます。
数十ヵ所にも及ぶ地下鉄駅で見られるアートは世界一長い美術館とも言われていて、それぞれ独特のアートが堪能できます。
また、地下鉄の駅自体も岩盤に掘ったトンネルのように剥き出しの壁になっていて、独特の雰囲気が味わえます。
ストックホルム中央駅だけではなく、駅から地下鉄に乗ってアート巡りというのもいいかもしれませんね。

ダニーデン鉄道駅/ニュージーランド・ダニーデン

1906年のゴールドラッシュ時代に開通した超豪華な駅。ダニーデンの町全体に栄華を象徴する豪華な建物が多々ありますが、その中でもダニーデン鉄道駅はひときわ目立つ存在です。
外観はフレミッシュ・ルネッサンス様式で豪華な装飾が施されていて、見事なステンドグラスは見もの。構内にはファミリーレストランやアート&スポーツのギャラリーがあり、家族で楽しめるところもポイントです。
また、プラットホームの長さはなんと500m! このニュージーランドで最長のプラットホームでは、毎年10月にファッションショーが開催されて、この長いプラットホームをモデルたちが歩きます。