世界の国々では様々な文化や風習があるのは当然のこと。そしてそれは日常での行動などにも影響してくるものです。それは日本でも同じことですが、日本では当たり前の行動が海外では非常識になることも多々あります。現地の人々にとって失礼になったり、嫌がられたりする行動は避けたいもの。今回は、海外旅行時などで非常識になってしまう行動を紹介していきましょう。

日本人として、海外で恥ずかしくない行動を

旅行先の国で失礼にあたるような行動をしても、海外旅行者として苦笑いでスルーしてくれることも多いと思います。そのことを後から知って赤面してしまう…なんてことも。
これならまだいいですが、現地の人たちにとって非常識な行動だとその場で激怒される可能性もないとはいえません。そうならないように、あらかじめある程度の知識は持っていた方が無難です。基本的にやってはいけない行動を紹介しますので覚えておくといいでしょう。

海外ではしてはいけない、基本的な行動集

【トイレをノックしてはいけない】日本では外出中などのトイレで人が入っているかの確認にノックをしますが、海外ではNGです。特にヨーロッパなどでは、ノックは中の人を急かしている行為に繋がります。他の地域だとしてもノックはせずに、ドアノブを静かにひねって確認するようにしましょう。

【レストランなどでの水は基本的に有料】席に座ると店員が水やおしぼりを持ってくるのが常識な日本ですが、海外では出てこないのが普通です。水は有料なので、商品のひとつとして考えます。さらにおしぼりは“ない”と思っていた方がいいので、ウエットティッシュなどを持参するようにしましょう。

【“すする音”は海外ではNG】欧米諸国やアジア諸国では、麺類を食べるときのすする音はマナーが悪いとされるのでNGです。普段は気にせずにすすって食べている日本人からすると食べにくいですが、音をたてないようにすることが必要です。また、音を出して鼻をかんだり、すすったりするのも厳禁。ハンカチなどで鼻を拭くか誰もいないところでするのが無難です。もしクシャミが出てしまった場合には必ず「Excuse me(エクスキューズミー)」というのが常識です。

【子どもの頭を撫でてはダメ】世界の一部の地域では、頭の上というのはとても神聖な場所とされています。このことから、特にタイやインドネシアなどの国で可愛いからと子どもの頭を撫でるのは絶対にNGです。これは子どもだけではなく大人の頭も同様です。旅行前にチェックしておくようにしましょう。

【身体的な特徴を指摘して褒めない】ヨーロッパ諸国では、他人の身体的特徴を指摘することにとても慎重な人が多いので、たとえ褒めるためだとしてもしないほうが無難です。“顔が小さいですね”“スタイルがいいですね”“足が長いですね”など、良かれと思ってもヘタをすると差別的発言に取られてしまう可能性があります。

【親指を立てるのは上でも下でも要注意】日本だと“Good!(いいね!)”の意味になる親指を上に立てるハンドサイン。アメリカなどでは日本と同様の意味になりますが、アフガニスタンやイランなどの中東やイタリアの一部の地域では相手を侮辱する行為となります。特にイランでは最もタブーな動作で「Fuck you」と同じ意味となってしまいます。また、親指を下に立てた場合はアメリカやイギリスでは挑発の意味となりケンカを売っていると取られることもあるので、絶対にやってはいけません。

【OKサインは超侮辱】人差し指と親指を丸める動作は、日本やアメリカなどでは“OK”のサインですが、ブラジルでは男性に対しては“肛門”、女性に対しては“女性器”の意味を持つ侮辱的なサインとなります。また、フランスだと“0(ゼロ)”の意味となり、やはり侮辱のサインになります。

【ピースサインは“くたばれ!”】日本やアメリカなどでは平和や勝利の意味となるピースサインですが、ギリシャなどでは“くたばれ”の意味に取られて挑発行為になってしまいます。さらに、手の甲を相手に向けた逆ピースサインは、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどでは相手を性的な意味で侮辱することになるので厳禁。絶対にダメです。

【手のひらを相手に向けると?】日本だと“ストップ”や“ちょっと待って”の意味になる相手に手のひらを向けるポーズは、海外では国によって色々と良くない行為となります。アメリカなどでは相手の話を遮るポーズとなり、ギリシャでは強く侮辱する意味となります。これも旅行前にチェックして、該当する地域に行くならしないようにしましょう。

【笑ったときに手で口を隠さないこと!】特に女性で、笑ったときに口を隠すのはエチケットとして普通なのが日本ですが、アメリカなどの海外では笑うときに口を手で隠しません。隠すのはその場にそぐわない行為をしたときのみ。あくびや笑う状況ではないのに笑った場合に口を隠します。海外では思いっきり笑ってもOKです。

【飲み物はコップを隠して飲む】日本にはグイッと1杯飲み干す、という仕草がありますが、儒教文化の影響が色濃い韓国では年長者や親の前ではNGです。自分より年齢が上の人に対しては敬意を払うという意味で、お酒などを飲むときにはコップを持っている反対の手で口元を隠して飲むのが礼儀となります。

【撮影禁止な場所】海外旅行での風景や施設などの撮影は楽しみではありますが、国によっては色々な撮影禁止があります。イギリスのロンドンや中国、インドでは空港や地下鉄の撮影はNG。香港やオーストラリア、エジプトでは人が映り込む状況での撮影にはその人たちの承諾が必要。イスラム圏では女性の撮影は禁止です。これらは機密情報保護や宗教上の観点からNGとされています。知らなかったとはいえ撮影してしまうと、警察や軍から警告されることもあり得るので要注意です。

【海外では社交辞令は通用しない】日本人がよく使う社交辞令。中でも「今度飲みに行こう」「今度食事に誘うね」などは、海外でいってしまうと「どこに行こうか?」「いつにする?」などとすぐに具体的に迫られることになります。海外では自分のことを“気に入ってくれた”と思われるからです。そして社交辞令をよくするのに一度も実現されない場合には、“口ばかりのいい加減な人間だ”と誤解されることもあるので注意しましょう。

海外のプチ常識

ここからは海外のプチ常識をご紹介!
※イスラムやヒンドゥー教圏では、人に触れたり品物を渡すときには必ず右手
※話しを聞くときに頷きながら聞くのが日本人、頷く動作をしないのが欧米人
※相手に何かを渡すときに丁寧に両手で渡す日本と違い、ロシアでは片手で持てるものは両手で持ったりはしない
※サウジアラビアなどの国では、大きな声で話したり笑ったりはするのは騒々しく下品だとされている
※ブラジルではサンドイッチやピザなども、直接手に持たずナイフやフォークを使って食べる
※オフィスなどでの昼休みを2時間以上取るのが普通なのがフランス
※インドでは、個人の家を訪問する際には靴を脱いで家に上がるのが常識
※ポケットのあるシャツを着ないのがイギリス。たとえポケットがあっても何も入れてはいけない
※ドイツでは会議のときにはメンバーで最も年長者が最初に部屋に入る
※ニュージーランドでは食事にときにあまり会話をせず、必要最低限に留める
※足を組んでイスに座るのはアメリカなどでは普通だが、エジプトでは相手に敵意を示す動作になる