まだまだ猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、少しずつアフターコロナに向けて進んでいます。これまで我慢してきた分、海外への旅行を思いっきりしたいと考えている人も多いと思います。ですが、ウイルスによる感染症は新型コロナだけではありません。今回は今後に向けて、海外旅行に行く際に気をつけたい感染症についてお話ししていきましょう。

感染症を予防して、旅行先の国で楽しく過ごす

感染症とは、細菌やウイルスなどの微生物が何らかの原因で身体に侵入して発生する病気のことで、世界には日本では見られない色々な感染症があります。これらの感染症にかかってしまうと、最悪で死にいたる場合もあり得ます。また万が一、症状が発生する前に帰国して日本で発症すると、日本国内に新たな感染症を拡げてしまう可能性も出てきます。これらを防ぐためにも、海外旅行時の感染症予防はとても重要だといえます。

感染症予防の基礎知識

旅行出発前にしておきたい予防策

※旅行先の感染症の情報を得る
まずは出発前に、旅行先の地域ではどんな感染症があるのか、流行っているのかを調べておきましょう。詳しいことは厚生労働省などのHPで見ることができます。
厚生労働省検疫所FORTH
https://www.forth.go.jp/index.html

※予防接種があるなら受けておく
旅行先にある感染症が予防接種で防げるようであれば、受けておくことが大切です。ただし、予防接種の種類によっては数ヵ月かかる可能性もあるので、余裕を持って調べておくといいでしょう。

※感染症予防になるアイテムを揃えておく
例えば虫除けグッズや肌の露出が少ない衣服など、現地で感染症予防になるアイテムがあるかをチェック、事前に揃えて準備しておくのも有効です。

※旅行前に体調を整えて万全にしておく
これは感染症以外にもいえることですが、旅行に行く前から体調を整えておくことも重要となります。仕事などが理由でハードスケジュールの直後、疲労を溜めたまま海外に出発すると、現地に着いてから具合が悪くなる可能性が高くなります。現地で1日中寝ているわけにはいかないのでまた無理をする、という悪循環に…。さらに、体調が悪いと身体の抵抗力が落ちてしまうので、感染症にかかるリスクも上がってしまいます。

現地でしておくべき予防策

※飲食での注意点
【飲み物】いちばん気をつけたいのが水です。海外の水は日本の軟質水とは違い、硬質水が主です。慣れていない硬質水をそのまま飲むと胃腸を壊すことも。水は湧かしたり、ミネラルウォーターを飲むようにしましょう。また、強い度数のアルコールも飲みすぎに要注意。自分はアルコールに強いなどと過信すると酷い目に遭います。
【食べ物】搾りたてのミルクや手作りの乳製品は避けること。これらが汚いというわけではありませんが、日本人には合わない可能性が高いのが理由です。野菜や魚介類は、生で食べないでおき、火で通ったものを食べることです。また、果物は皮を剥いたらすぐ食べて、長時間放置されていた果物は避けましょう。

※虫や動物への注意点
虫に刺されないように、虫除けスプレーや蚊取り線香を使いましょう。また長袖や長ズボンを着用して、なるべく肌を露出しないようにするのも予防策です。さらに現地の動物はむやみに触らないようにします。特に野生動物(犬やネコも含む)はどんな病原菌を持っているか判りません。

※現地での行動の注意点
淡水での水遊びやスポーツをする時は要注意です。一見キレイな川や湖、沼などでも、水辺に寄生虫がいるかもしれません。さらに現地で、見知らぬ人などで不特定多数の人との性行為は避けた方が無難です。もしする場合には、コンドームは必須です。感染症だけではなく大事なことなので、必ず守りましょう。

帰国後の注意点

帰国後には検疫所で健康相談を受け付けているので、“何かヘンだな…”と思うなら相談しましょう。また、感染症はかかってすぐに発病するとは限らないので、長期的に身体の様子を見て、熱や下痢など不調が出てきた場合には病院や検疫所、保健所に行って、“いつ、どこの国で何があったか(飲食や虫や動物に刺された、触れたなど)”をできるだけ詳しく説明しましょう。

海外で見られる感染症の種類

感染症の感染経路はさまざま

感染症ウイルスの感染経路はさまざまなのですが、現地で特に気をつけたい経路としては、現地での予防策として前述した“経口感染(口から)”と“経皮感染(虫さされなど)”といえます。必要以上に怖がる必要はありませんが、感染症の正しい知識を得て、予防への意識を高めておきたいところです。

世界の代表的な感染症

【コレラ】不衛生で菌に汚染された水や食べ物から感染。症状には激しい下痢による脱水状態や嘔吐が見られ、特に水道設備が整っていない地域では危険度が高くなります。生水、氷、生の食べ物は避ける、外から戻った時や食事前には石鹸で手を洗うことが予防法です。

【赤痢】コレラ同様に不衛生で菌に汚染された水や食べ物から感染します。1日から5日間の潜伏期間をおいて下痢、腹痛、発熱、酷くなると血便も見られます。やはり水道設備が整っていない地域では危険度が高くなります。主に生水、氷、生の食べ物を避けるのが予防法です。

【破傷風】破傷風菌は先進国、途上国を問わず世界に分布していて、日本も例外ではありません。大小のケガ、火傷などから感染して、食べ物などが飲み込みにくい、喋りにくい、全身痙攣などの症状があります。最悪死にいたる病なので要注意です。予防接種を受ける、傷の部分を清潔にするなどが予防法です。

【マラリア】世界の熱帯、亜熱帯地域で見られ、マラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染します。1週間から4週間の潜伏期間をおいて、発熱や頭痛、悪寒、嘔吐、関節痛、筋肉痛が起こります。虫除けローションやスプレー、肌を出さない服装、飲み薬による予防薬を接種するなどが予防になります。

【日本脳炎】イエ蚊が、病原菌に感染している豚などの動物を刺し、ウイルスを人間に媒介することで感染します。主にアジア全般の温帯地域(夏の終りから秋)、熱帯地域(季節に関わらず)で流行する可能性があります。痛みや刺激に反応しなくなったり、頭痛や、意識障害が症状です。虫除けアイテムや肌を出さない洋服、予防接種を受けることが予防策です。

【狂犬病】人獣共通の感染症であり、特にアジアやアフリカで見られます。ウイルスは感染している動物の唾液に含まれていて、噛まれたり傷口や目、口などの粘膜を舐められる、引っかかれることで、身体の神経系統に感染します。ほとんど全ての哺乳動物から感染する可能性があり、感染した神経系統によって潜伏期間が1ヵ月から3ヵ月、もしくは感染10日後あたりで発熱、頭痛、全身倦怠や嘔吐を起します。発症すると死亡率がかなり高くなるので、もし不安になる出来事があるなら、早急に病院に行くことが重要です。むやみに動物に触れない、予防接種を受けるなどが予防方法です。

世界には他にもさまざまな感染症がありますし、現在では新型コロナウイルスが流行していますが、徐々に海外への渡航の規制も緩やかになっています。この先海外に行くのであれば、現地で感染しやすい感染症をチェック、予防接種をはじめとする予防策は必ず取るようにしましょう。また、新型コロナが落ち着いたとしても、当分の間はできるだけワクチン接種を受けて、マスクと除菌グッズは忘れずに持って行くこと。さらに自分のため、周囲の人のために検温などで出発前の体調管理をしっかりしてから海外に向かいましょう。