独特の街並みや大自然、世界遺産まで、海外旅行で体験できる異国の魅力は色々ですが、今回はどんな場所に居ても必ず見ることのできる星空にフォーカスしてみましょう。視点を空に向けてみると、素晴らしい風景が拡がっています!

世界各地で体験できる、美しすぎる星空

どこからでも見られる星空ではありますが、その見え方は場所によって異なります。世界には満天の星を堪能できる絶好の地域があり、そこは日本では考えられないスケールの大きさです。せっかく海外にいるのだから、この絶景を見逃すことはありません。星空を“見る”ことに関してはお金もかからないのですから!

星空を見る絶好の環境とは?

【周囲に電気などの光がない】
星空を見る環境の大前提としては、まず“周囲が明るくないこと”です。夜でもあちこちの電気で照らされている、高層ビルが建ち並ぶ都会では満天の星を見ることはできません。自然の中のように、周囲が暗く光がない場所こそが星空を見るベストポジションです。

【星空を見るおすすめの季節】
もうひとつは季節。星は空気が澄んでいる方がよく見えるのです。このことから空気が乾燥する気温の低い時期、冬がいちばん星空観賞に適した季節といえます。

【美しい星空の風景写真を撮るには…】
星空を写真に撮るときには、デジカメを使ってそれなりの設定をして撮るようにします。
※デジカメの種類
まずデジカメはマニュアルフォーカスやマニュアル露出ができるタイプ。最近では高性能のデジカメが低価格で購入できますし、1台持っていれば星空以外の写真も設定を変えることで綺麗に撮れるので損はありません。
※撮影時の設定
暗い中で星空を撮るには「ISO感度」「絞り」「シャッタースピード」「ピント」などの設定が必要です。基本的には「ISO感度は3200」「絞りはF4」「シャッタースピードは30秒」の3つを設定すればOKですが、デジカメの種類によって異なる部分もあるので、持っている機種のメーカーサイトなどで確認しましょう。また、ブレを無くすためにも三脚を使って撮るのがおすすめです。
※風景を一緒に撮る
海外独自の美しい風景と一緒に星空を撮ることで、写真の出来映えはより美しくなります。後述する世界の星空絶景スポットは、どこも周囲の風景が美しいところばかりなので、ぜひ挑戦してみて下さい。また、風景を入れた写真では撮影設定も変わってくるので、サイトなどで要チェックです。

【星空を見るための装備】
ベストな状態で星空を見るためにも、以下の基本的な準備はしておきましょう。
1、夜、外にいるので、厚着などで防寒対策をする(特に冬は必須)
2、ひとりでは危険な場合もあるので、できれば複数人推奨
3、事前に仮眠をとるなどして、体調管理をしっかりする
4、事前に天候をチェックする(天気が変わりやすい地域は必須)

満天の星を堪能できる世界の絶景スポット

ここからは世界各地の星空絶景スポットを紹介します。どこも美しい満天の星を堪能できます。一生に一度は行ってみたいですね。

星空保護区ゴールドティア認定の絶景スポット

暗い夜空の保護と保存を目指している世界的組織「国際ダークスカイ教会」の制度“星空保護区ゴールドティア”に認定されている、世界で最も美しい星空が見える地域はわずか3ヵ所。星空の世界遺産ともいえるこの金賞地域は、まさに満天の星を存分に満喫できる場所です。

【テカポ湖/ニュージーランド】
ニュージーランドのほぼ中央に位置する町テカポ湖は、晴天率が約70%から80%で星空観賞に最も適した場所です。この町では、光による害を抑えるために下向きの街灯やオレンジ色の電球の使用など、星空を保護するための工夫をした生活を送っています。ここでは、テカポ湖のシンボルである“善き羊使いの教会”という建物を入れた星空の写真を撮るのが定番。また、星空だけではなく、湖と空が一体となったミルキーブルーの世界が拡がる日中も絶景です。

【ナミブ砂漠/ナミビア】
アフリカ南西部のナミビア共和国にある、世界最古といわれるナミブ砂漠。ここには視界を遮るものは何もなく、天候の良さと乾燥した環境で神秘的な星空が拡がっています。ナミブ砂漠は南回帰線に近いことから、南十字星や天の川が見やすい場所でもあり、砂漠ならではの360度に渡って満天の星を体験することができます。まさに天然のプラネタリウムを体験してみたいですね!

【アイベラ半島/アイルランド】
ヨーロッパで最高の星空が見えるのが、アイルランドのケリー州にあるアイベラ半島です。地上の光源がほとんどないことから肉眼で見える星の数は約4000個以上といわれているほど。大自然に囲まれた豊かな緑と、古代人が暮らしていた時代に限りなく近づけた環境を維持する現地の人たちの意識が、この美しい星空を守っています。

まだまだある満天の星スポット

最高の星空が見られるスポットは、ゴールドティア認定の場所だけではありません。世界にはとんでもないほど美しい星空スポットがたくさん存在します。

【マウナケア/ハワイ】
ハワイの最高峰の山であるマウナケアは、世界有数の天体観測スポットとしても知られています。山の中腹付近はいちばん美しく星が見える場所であり、山頂のスバル天文台では壮大なる雲海が望めます。日本からはいちばん行きやすい星空スポットといえるでしょう。

【モニュメントバレー/アメリカ】アリゾナ州とユタ州の境界にある公園モニュメントバレーは砂岩の残丘が多数あり、赤茶けた原野の不思議な風景がポイント。アメリカ西部の絶景でありパワースポットでもあるここでは、天気の良い日には満天の星が夜空に拡がります。地上の風景と相まって何ともいえない絶景空間を体験できます。

【ウユニ塩湖/ボリビア】
世界で最も平らな場所ともいわれるボリビアのウユニ塩湖は標高約3600mの高地にあることから、手を伸ばせば星に届くと勘違いしそうなほど! 12月から4月までの雨季には塩湖の表面に水が溜り、鑑のように星空を映し出すことで宇宙空間にいるような雰囲気を体感できます。この美しきウユニ湖の写真は数多くありますが、自分ならではの風景写真に挑戦してみてはどうでしょう?

【カナディアンロッキー/カナダ】
カナダのアルバータ州を中心とした世界遺産のカナディアンロッキー。その中にあるジャスパー国立公園は世界最大規模のダークスカイ保護地区であり、町の灯りが一切届かない漆黒の闇の中で満天の星を堪能できます。この公園では10月に“ダークスカイ・フェスティバル”を開催していて、星空観賞の他にもさまざまなイベントが楽しめます。カナディアンロッキーではこの他にも星空観賞に適した場所が多く存在していて、冬にはオーロラが見られる可能性もあるんです。

【アタカマ砂漠/チリ、ペルー、ボリビア、アルゼンチン】
南米4国に渡って約1000kmも拡がる高大なアタカマ砂漠は世界一乾燥した砂漠といわれ、降水量が少なく晴天率も高い地域です。それだけに空気が澄んでいて星空観賞には最適。透き通った空に輝く無数の星は圧巻で、天の川や星座を探す楽しみも味わえます。また、ここには世界中の天体研究チームの施設があり、興味のある人にはたまらない設備も見ることができるでしょう。

【エアーズロック/オーストラリア】
オーストラリアの中高付近に位置するエアーズロックもまた、幻想的な星空を体験できる地域です。静けさと暗闇の中で観賞する満天の星は一生の思い出になるでしょう。

【ウベア島/ニューカレドニア】
ニューカレドニアのウベア島は、「天国に一番近い島」の舞台となった場所。ビーチリゾートでありながら静かな海を満喫できて、さらに夜には無数の星が散りばめられた空を見ることができます。海も星も楽しみたい人には最適の島です。