旅行情報

あなたの旅行先の国名・都市名

フランス、パリ

あなたが旅行に行った年月

1992年12月

あなたが旅行に行った回数

6回

あなたの年齢、性別、職業

49歳、女、デザイナー

一緒に旅行に行った人の人数

単独

トラブル体験をした場所

パリ中心街の両替所

トラブル内容

当時「ポンヌフの恋人」というパリの橋が舞台になった映画が日本で公開され話題になっていた頃、生まれて初めての海外旅行にパリを選び、一人でツアーに申し込みました。若い娘が一人で海外に行くので親も心配して「スリがいて危ないところだから気をつけるように、カバンは脇に抱えて」と念を押され、実際に行ってみると日本では見たこともないような物乞いが道端に座っていたりして、初めての経験にカルチャーショックを受けていました。

今ほど情報も多くなく、怖さで緊張しながらも自由時間にパリの中心部にある外貨両替所で円をフランスフラン(現ユーロ)に替えたくてあちこちウロウロしていました。情報がないことに加え単独行動をし、高校英語程度の語学力しかないのに情報を共有する相手もいず、目に入る円相場の数字にだけ気を取られていました。

すると宿泊しているホテルのすぐ近くに明らかにお得そうな数字を見つけ、しばらく見つめていましたが何度計算してもお得でした。円相場は1日の中でも価格が変わることや、時折とてもスペシャルプライスになることがあり場所によってまちまちだ、という情報を他のツアー客から聞いており、このタイミングを逃してはならぬ、ここで替えようと窓口のお姉さんに日本円を差し出し、フランに替えたいと伝えました。

すると「この金額でいいのか」と聞いてきましたが、あまりたくさんフランを持ち帰りたくもないし、海外は怖いところ、当時の日本人はカモにされることが多く、甘い誘いでたくさん替えさせるつもりだな、と思い誘いを突っぱねて「これでいい」と返事をし、堅実な金額を両替しました。ほどなくトレイに置かれたフランを見た時、思ったより少ない気がしましたが、それを問いただす言葉もわからなかったため、そのまま財布に入れホテルに戻りました。

部屋に戻りどうしても納得ができなかったのでレシートを見ると、掲示板にあったレートとは違うレートで計算されていました。これはやられた!と、初めての海外旅行でトラブルに巻き込まれてしまったと動揺し、ツアーコンダクターの部屋に電話をしました。内容を説明すると、一緒にその両替所に行こうと言ってくれ、向かう道中「あなたは私の娘ということにしますから」と言って、感情に訴える作戦でその両替所に乗り込みました。

すると先程のお姉さんがまだ座っていて、ツアーコンダクターは英語でなにやら説明をし「My daughter(私の娘です)」という言葉だけ聞き取れましたがあとは何をどう説明しているのか、ドキドキして怖くて何もわかりませんでしたが、どうやらお金は返してもらえないようでした。

聞くと、私が両替した1万円程度の少額ではレートは割高で、4万円ほど両替するとお得になる料金設定である案内が電光掲示板に流れていたようです。「これでいいのか、4万円でなくていいのか」と尋ねてくれても私はいい、と言ったため言われた通りに両替をしたまでで、もう決済が通ってしまったためキャンセルはできないと言われたとツアーコンダクターは説明をしてくれました。

損をしたことで気落ちはしましたが、騙されたのではなく自分の勉強不足が原因だったことで嫌な思い出にはならず、「娘」と言って必死に訴えてくれたことが嬉しくて、30年経った今でも色褪せず憶えている良い思い出です。日本人は優しいですが、海外では知識不足がすぐに仇となるという絵に描いたようなトラブル初体験でした。

トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動

納得できなければその場で金銭を受け取らず、わかるまで聞き直すべきだった。勉強不足。