海外旅行~航空券の内訳とは? 航空運賃に付随する費用

海外旅行に行くために必ず購入する航空券。格安航空券などが手には入った時には「やった!」と思いがちですが、実際に買うときには表示された金額以上の支払いが求められます。これはなにも“表示価格に偽りあり”というわけではなく、実際に飛行機に乗るために、航空運賃の他に必要な諸費用が加算されるからなのです。
今回は、航空運賃以外に航空券に付随する費用についてのお話をしていきましょう。

飛行機に乗るための、運賃以外の費用とは?

何か商品を買う場合、例えば3000円のCDなら3000円を払うか、またはプラス消費税で買うことができます。ですが航空券の場合には、それだけでは買うことはできません。
簡単にいうと、エアコンなどを購入するのとほぼ同じだと考えていいでしょう。エアコンの場合、エアコン本体の価格に加えて、運送代や新旧のエアコンの取り外し&設置料が別にかかってきます。これと同様に、航空券では航空運賃(エアコン本体価格)に加えて、空港使用料や税金(運送代や取り外し&設置料)が必ず必要となってきます。

ただし空港券ではエアコンなどのように単純ではなく、色々と複雑な費用が加算されることになるのです。

航空券代

いちばん基本的な費用で、飛行機に乗るための運賃がこの航空券代です。WEBなどに掲載されている価格は、この航空券代のみが表示されることが多く、カタログなどでもこれと同じ表記もあり得ます。この場合、実際に代金を払うときにはプラス諸費用ということになります。航空券を探す時には、ここに注意することがポイントです。

空港使用料

日本の空港を使用するための料金です。各空港の出発&到着ロビーやフライト情報システム、その他の施設の整備費用や維持管理費に充てられます。

各空港の国際線出発時の基本的空港使用料は以下の通りです。

成田国際空港(第1&第2旅客ターミナル)
国際線出発:大人2,090円/子ども1,050円

成田国際空港(第3旅客ターミナル)
国際線出発:大人1,020円/子ども510円

東京国際空港(羽田)
国際線出発:大人2,570円/子ども1,280円

関西国際空港(第1旅客ターミナル)
国際線出発:大人2,730円/子ども1,370円

関西国際空港(第2旅客ターミナル)
国際線出発:大人1,230円(子ども料金なし)

大阪国際空港(伊丹)
国際線出発:大人260円/子ども130円

新千歳空港
国際線出発:大人1,030円/子ども520円

仙台国際空港
国際線出発:大人230円/子ども120円

中部国際空港
国際線出発:大人2,570円/子ども1,290円

福岡空港
国際線出発:大人970円/子ども490円

那覇空港
国際線出発:大人1,000円/子ども500円

海外各国空港税

各国の空港使用料に加えて、国によってかかる入国税や出国税、PFC、騒音税などの様々な税金をまとめたものです。空港によって税金の種類は違うので、当然その代金も変わってきます。あらかじめ、行き先である国の空港税をWEBなどでチェックしておくと安心です。

出国税(国際観光旅客税)

2019年1月7日から新しく導入された税金です。一般的には、2歳未満の幼児以外は全ての人にかかってきます。金額は大人も子どもも一律でひとり1000円かかります。
より詳しくは、以下のブログを参照して下さい。

海外旅行に行く時に知っておきたい新たな税金“出国税”
https://www.interbank.co.jp/column/9256/

航空保険超過負担料

2001年9月に起きたアメリカ同時多発テロ事件以降、航空会社が加入する損害保険の掛け金が大幅増額になったために、航空会社が増額分の一部を搭乗者に負担してもらうために設定されたのが航空保険超過負担料です。この保険は、いわゆる自分で加入する「海外旅行傷害保険」などとは別の保険であり、強制加入といえます。航空会社によって異なりますが、金額的にはさほど高くはありません。
ただし、この航空保険超過負担料はあくまで航空会社のためのものなので、万が一事故などが起こったとしても、ここから乗客に対する保険が支払われるわけではありません。自分のための海外旅行保険は、しっかりと掛けておく必要があります。

燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)

燃油サーチャージは燃料価格の高騰によって航空運賃とは別に追加される、要は燃料代のことです。燃料価格は日々激しく変動するので、各航空会社では細かく価格が反映できるように2ヵ月毎に料金を見直しています。基本的に飛行機の飛ぶ距離が長いほど燃料もかかるので、遠方の国に行く場合にはそれだけ燃油サーチャージも高くなる、ということは覚えておきましょう。

また、燃油サーチャージの金額は飛行機に乗る日の燃料価格ではなく、チケットを購入した日の燃料価格で決まります。これを考えると、燃料価格が下がっている時にチケットを買った方がお得、ということになります。前述した2ヵ月毎の価格見直しが近づくと“次は上がるか下がるか”などの情報が出て来るので、これを参考にすると良いでしょう。ちなみに、2019年の2月から3月にかけての航空券発券分は、燃油サーチャージが上昇する傾向が確定したといわれています。

全てを含んだ航空券の料金は?

それでは、実際に各費用を加算すると料金はどうなるのかの一例を見てみましょう。

・航空券(航空運賃)70,000円
・空港使用料     2,090円
・海外各国空港税   5,000円
・出国税       1,000円
・航空保険超過負担料 500円
・燃油サーチャージ 15,000円

全てを含んだ航空券 93,590円
国際航空券は消費税は免税となるので、実際に支払うのは93590円となります。

この一例は各費用全てを別々に考えて計算してあるので、必ずしもこの計算になるわけではありません。航空会社や航空券によって、WEBやカタログでの表示や加算方法が異なってきます。あくまでも参考として見て下さい。

“航空券格安○○○○円!”という表記があったとしても、これが航空運賃のみなら実際にはそれ以上の金額が必要になる、ということが解った思います。

ポイントとしては、
・WEBやカタログに掲載されている航空券の金額の内訳をチェックする
・燃油サーチャージの価格が下がっている時期に航空券を買うとお得
の2つです。

また、海外旅行ツアーの場合にも、ツアー代金がどのような内訳になっているかをチェックしたり旅行会社の人に確認しておくといいでしょう。