日本とは異なる異国の地への旅行は、そこに行くだけでも満足できるものですよね。現地の空気感に触れながらの観光地巡りは貴重な体験にもなるでしょう。

ですが、ある程度海外旅行に慣れてくると、それだけでは物足りなくなってくることもあるハズ。せっかく海外に行くのだから、そこでしか経験できないことをやってみたい! そんな思いが沸き上がってきたら、思い切って自分なりの目的に絞った海外旅行をしてみませんか?

本コラムでは、前後編に分けて7つの目的を提案、そのポイントとオススメの国などを紹介していきます。ワンランク上の海外旅行をしたい時の参考にして下さいね。

1、現地の語学で会話を楽しむ

語学留学というものがあるように、本格的に外国語を覚えるならそれなりの方法がありますが、そこまでではなくても、旅行に行った先で現地の言葉で話しをしてみる、というのもいい経験になります。

事前準備

まずはどんな外国語で会話をしてみたいのかを考えましょう。
英語やフランス語、ドイツ語、韓国語や中国語など様々ですが、いちばん親しみやすいのはやはり英語です。
その他の言語にしても、今ではネットを通じて発音やその意味を知ることができます。海外旅行に行く前に、会話をしてみたい言語をその国の人たちがどんな発音で喋るのかをチェック。そして基本的な言葉の意味や、どうやって発音するのかなどを声に出して予習しておくことが大切です。

オススメの国・地域

現地語での会話が目的の旅行であれば、オススメというよりはどんな外国語を体験したいかで旅行先は変わってきます。
あえて言うのであれば、なるべく日本人観光客が多い国や地域を選ぶ、ということでしょうか。現地語での会話で困ってしまった場合などは、同じ日本人の人に話しかけてヘルプして貰うことができます。

そういう意味でも、行く場所はごく一般的な観光地で構わないでしょう。ハワイやグアム、サイパン、香港、パリやロンドンなど、代表的な外国の都市であれば安全性も高く、現地での会話に挑戦することも可能だと思います。

現地でのポイント

言葉が通じなかった場合や、会話をする不安感を軽減するためにも「ポケトーク」などの自動翻訳機を持って行きましょう。予習も含めて、いざという時に助けてくれます。

ただし始めから翻訳機に頼ってしまってはこの旅行の意味がありません。最初は勇気が要ると思いますが、とにかく自分自身の口でゆっくりと会話をして、どうしてもダメなら翻訳機に頼ればいいのです。
最初は簡単な会話からがいいと思いますが、一例としては空港の入国カウンターなどで会話に挑戦してみませんか? 受け答え例などもサイトで確認できるので、それを参考にするといいでしょう。

そして大切なことは、相手の言っている意味がよく解らないのについて行ったりは絶対にしないことです。万が一相手が悪いことを考えている場合、犯罪に巻き込まれる可能性もあります。あくまで観光地などのその場限りの会話が基本です。
また、もし失礼をしてしまったと思ったら、自動翻訳機などで謝罪をしておくことも忘れずに。

2、大自然に触れる

海外には日本では考えられないような大自然の地が多々存在します。都会の喧噪を離れて自然に触れる旅行、というのも魅力的ではないでしょうか。

事前準備

海や山など場所にもよりますが、この目的の旅行の場合には、持って行く荷物や服装が重要になります。
荷物はできるだけ少なく軽く、服装も動きやすいもの、靴は足が疲れないように歩きやすいものにすることが大切です。
さらに場所によっては寒暖差の激しい場合もあるので、予備の洋服や雨具などの準備も忘れないようにしておきます。
また、体調をしっかりと整えておくことも覚えておきましょう。

オススメの国・地域

安全面やその景観の美しさを考えると、オススメなのは各国にある世界遺産です。世界遺産は自然遺産と文化遺産、その両方が混合する複合遺産に分類されるので、自然遺産か複合遺産が狙い目です。
また、インターネットで“世界の大自然、海外旅行”などで検索すれば、魅力的な候補が見つかるはずです。

ほんの一例ですが、オススメの大自然をご紹介しておきましょう。

グランドキャニオン/アメリカ

コロラド川の流れが造り出した大峡谷。アメリカでいちばん有名な国立公園です。

エアーズロック/オーストラリア

世界最大級の一枚岩のエアーズロック。大自然の不思議が堪能できるだけではなく、夜の星空が圧巻です。

ユングフラウヨッホ/スイス

雪と氷の美しい世界が1年中体験できるヨーッロッパ有数の場所。アイガー、メンヒ、ユングフラウの3大名峰から成っています。

カプリ島(青の洞窟)/イタリア

険しい岩山の立つカプリ島は、古代ローマ帝国の皇帝たちが別荘を建てたリゾート地でもありました。
最大の見どころは“青の洞窟”で、光と水で織り成す神秘的な景観には息を飲むことでしょう。

ミルフォードサウンド/ニュージーランド

そびえ立つ高峰としぶきを上げる滝、そして氷河に削られた入り江と、大自然の美しさが集約されたような場所がミルフォードサウンドです。

現地でのポイント

最初にも言いましたが大自然を堪能するなら“歩くこと”は必須です。
ホテルから出かけるときには、動きやすい服装と靴、両手が空くようにリュックなどを使うようにして、その他の旅行バッグはホテルに置いておけるように用意しましょう。

万が一のために湿布薬などは持って行った方がいいかもしれません。また、現地のガイドなどを予約しておけば、その場所の詳しい説明や安全な歩き方などを教えて貰えます。

3、歴史や文化を学ぶ

アメリカやヨーロッパ諸国、アジア諸国などで、興味を持った国や地域の歴史や文化に触れる旅行、というのも楽しそうです。
具体的には、博物館や美術館を巡る旅行、ということになるでしょう。

事前準備

世界には有名な博物館や美術館など多数のミュージアムが存在します。
まずは自分が行ってみたいミュージアムをネットでチェックすることから始めましょう。

展示内容は当然として、休館日や開館時間、どんな場所にあるのかも確認します。各ミュージアムにはある程度の時間滞在することになるので、近辺にあるホテルなども確認して、楽に行けそうな場所を予約するようにしましょう。

また、1度の旅行で複数のミュージアムを回りたい場合には、その位置関係を考えたスケジュールが大切になってきます。自分でスケジュールを組むのが不安であれば、旅行会社などで相談してみるといいでしょう。
そして現地で十分に楽しめるように、行く予定の美術館、博物館の予習をしておくのがオススメです。

オススメの国・地域

数ある美術館、博物館でどこに行くのかを選ぶのは楽しくもあり、難しいかもしれませんね。
ここでは代表的なミュージアムの一例をご紹介しましょう。

ルーヴル美術館/フランス・パリ

「ミロのヴィーナス」「モナ・リザ」を始めとする、有名な美術品をじっくりと堪能できるルーヴル美術館。古代ギリシャ美術の彫刻や絵画など、各部門に分かれて観賞できます。

オルセー美術館/フランス・パリ

モネやルノワール、ゴッホ、ドガ、セザンヌなど、有名な美術家の作品が並ぶオルセーは、旧オルセー駅舎を利用した美術館です。印象派の作品が充実しています。

ヴァチカン博物館/ヴァチカン市国・ヴァチカン

14世紀の教皇の住居として使われてきた宮殿であり、現在でも教皇や教皇庁の部屋が存在するヴァチカン博物館。1400以上の部屋や礼拝堂、20を超える博物館、美術館、絵画館などを楽しめます。古代ギリシャ美術を堪能するならここです。

メトロポリタン美術館/アメリカ・ニューヨーク

ルーヴル博物館、大英博物館、エルミタージュ美術館と並ぶ、世界4大ミュージアムのひとつです。5000年に及ぶ人類の文化遺産が収蔵されています。ニューヨークという、場所的に行きやすいのもポイントです。

大英博物館/イギリス・ロンドン

18世紀に設立された大英博物館は、旧石器時代から近代までの、世界中の文化遺産が集まっている世界最大級の博物館です。その膨大な数に圧倒されることでしょう。

現地でのポイント

せっかく海外まで美術館や博物館に行くのです。規模にもよりますが、最低でも半日から1日はひとつのミュージアムで観賞したいところ。ルーブル美術館などは1日ですべてを回るのは無理なほどです。

ルーヴルとオルセー美術館のように、同じパリにあるミュージアムであれば、数日かけて両方巡るのも可能でしょうが、ツアーのように駆け足ではなく、じっくり観賞するのが得策です。

また、ミュージアムによっては音声ガイドなどもあるので、日本での予習に加えて、現地でも日本語解説が聞いたり見たりできるようなアイテムを利用することをオススメします。

そしてミュージアム内では撮影などの禁止事項もあるので、それらを守ってマナーのいい観賞をしましょう。