今回は、北米・中南米・オセアニアを中心に主な世界遺産を紹介しましょう。これらの国々の世界遺産には、文化遺産や自然遺産、複合遺産が数多く存在しています。

北米

アメリカ

自由の女神像(文化遺産/1984年登録)

世界的に有名なアメリカの象徴・自由の女神、正式名称“世界を照らす自由”は、ニューヨーク港内のリバティ島にあります。アメリカを訪れた各国の大勢の人々が一度は目にしているこの女神像は、おそらく世界一有名な世界遺産と言えるでしょう。

アメリカ独立100周年を記念して、フランス人のエドゥアール・ド・ラブライエが建設を提案、フランスで作成して300のパーツに解体してアメリカまで運ばれました。
全長約93m、台座以外の像だけだと約46mの高さで、右手にたいまつを持ち、左手にはアメリカ独立記念日(1776年7月4日)とフランス革命勃発の日(1789年7月14日)が刻まれた独立宣言書を持っています。

※ポイント
自由の女神の足下の台座と頭の冠部分は入場できますが、台座は1日3000人、冠は1時間当たり30人で1日240人までと、どちらも人数制限があります。
冠部分の入場チケットは数ヵ月先まで予約で埋まっていることが多いので、現地への旅行日程が決まったら公式サイトから予約購入しておきましょう。

グランドキャニオン国立公園(自然遺産/1979年登録)

アメリカ・アリゾナ州北西部にあるグランドキャニオン国立公園は、アメリカで最も古い国立公園のひとつです。
グランドキャニオンとは全長約450km、深さ平均約1200mにおよぶ峡谷で、数百万年かけてできあがったと言われています。
100年で2cmずつ削り出されていて、それは今でも進んでいる、まさに“長い歴史を刻みながら生き続ける峡谷”といっていいでしょう。

また国立公園内には、植物1500種類以上、鳥類355種以上、ほ乳類88種以上、は虫類47種以上、両生類9種、魚類17種と、様々な生物が棲息しています。

※ポイント
グランドキャニオンにはノースリム(北壁)とサウスリム(南壁)の2つの玄関口がコロラド川を挟んで対岸にあります。
これらには多くの絶景ポイントがあり、展望台から峡谷を望むことができます。
場所や時間帯によって色々な表情を見せるので、ビューポイントを巡りながら絶景を楽しむのがポイントです。

イエローストーン国立公園(自然遺産/1978年登録)

世界遺産第1号として最初に登録された12の世界遺産のひとつであるイエローストーン国立公園は、世界最古の国立公園です。火山地帯にあるこの公園には、地球上の源泉の約50%、間欠泉の3分の2があります。

イエローストーン国立公園の顔であるグランド・プリズマティック・スプリングは、直径約113mの全米でも最大の熱水泉で、常に約70℃のお湯が湧き出ています。

※ポイント
いくつもの間欠泉が楽しめるイエローストーン国立公園ですが、公園の南にはイエローストーン・レイクという大きな湖も存在します。標高2357mにある北米で最も高いところにあるこの湖も見逃せません。
とにかく広大な広さの世界遺産なので、車の利用は必須です。

カナダ

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群(自然遺産/1984年登録)

3000m級の山々が連なるカナディアン・ロッキーには、4つの国立公園と3つの州立公園があります。その中で最も有名なのが、カナダの最初の国立公園として設立されたバンフ国立公園で、年間400万人もの観光客が訪れています。

氷河期時代からの氷河が数多く残り、いつくもの美しい湖などが楽しめるカナディアン・ロッキーはまさに大自然の宝庫ですが、化石の宝庫としても有名で、生物の化石が約10万個も見つかっています。

※ポイント
この雄大な世界遺産を満喫するには個人での旅行では手に余るかもしれません。ツアーも数多く用意されているので、初心者のみならず利用するのもいいでしょう。

ケベック歴史地区(文化遺産/1985年登録)

ケベック歴史地区はカナダにある旧市街地で、アッパータウンとロウワータウンに分かれています。ここはフランス人によるカナダ植民地の拠点があったこともあり、人々の生活、建築や芸術、ファッションなどのフランス文化が色濃く残り、その街並みは中世ヨーロッパの様式を残しています。

※ポイント
北米唯一の城郭都市として知られるケベック歴史地区は、街並みの美しさが魅力です。見どころが多く集まる中心部は徒歩で散策できるので、その雰囲気を自分のペースで満喫しましょう。

中南米

ペルー

マチ・ピチュの歴史保護区(複合遺産/1983年登録)

マチ・ピチュ遺跡とその周辺の山々などで成り立っている世界遺産です。マチ・ピチュは標高2280mの頂上にあり、山裾から見えないことで「空中都市」「天空都市」などと呼ばれ、日本ではアニメ映画『天空の城ラピュタ』のモデルとしても知られています。

神殿や宮殿、居住区や段々畑などの遺跡群が残る世界遺産で、高度な文明が栄えていた跡が見られます。特にマチ・ピチュの大塔(太陽の神殿)は石組みで曲線を構築していて、その建築様式に注目すると当時の高度な技術が垣間見れます。

※ポイント
まだまだ謎の多いマチ・ピチュの遺跡は、1日ではとても回りきれないでしょう。
1泊しながら、体力に自信があるなら周辺の山々への登山もいいかもしれません。眼下に望む景色はまさに絶景です。

ナスカの地上絵(文化遺産/1994年登録)

ペルー南部の乾燥地帯に描かれた巨大な地上絵です。
ナスカ文化の時代に描かれたこの地上絵は、幾何学図形や動物、虫、魚、植物など色々でが、上空から見ないと解らないほどの大きな絵を描いた理由は未だに謎です。

※ポイント
ナスカの地上絵はセスナ機に乗って上空から見るのが一般的です。飛行時間はあっという間に終わってしまうので、事前に地上絵の予習をしてから行くのがベストです。

アルゼンチン

イグアス国立公園(自然遺産/1986年登録)

ブラジルとアルゼンチンの両国にまたがるイグアス国立公園には、世界的に有名な3大瀑布のひとつ、イグアスの滝があります。最大落差が80m以上というこの滝は、大轟音と共になだれ落ちる茶褐色の滝で、その迫力に圧倒されます。

※ポイント
イグアスの滝への主なアプローチとして、大自然の天国と地獄を体感するならアルゼンチン側から、壮大な滝のパノラマを楽しむならブラジル側からがオススメです。スケジュールに余裕があるなら、両側から体験するのもいいかもしれません。

チリ

ラパ・ヌイ国立公園(文化遺産/1995年登録)

イースター島にあるラパ・ヌイ国立公園は、世界的に有名なモアイ像のある世界遺産です。モアイ像はイースター島全域に800体以上も存在します。その大きさは様々で、大きさ3.5m、重量20t程度のものから、最大級で大きさ20m、重量90tに及ぶものまであります。

※ポイント
異なる部族が暮らす集落毎に造られたといわれるモアイ像。どのように造られて、どうやって運ばれたのか…? 時代と共に変化している造形を見ながらその謎の解明に挑んでみては?

オセアニア

オーストラリア

グレート・バリア・リーフ(自然遺産/1981年登録)

全長2300kmに拡がる世界最大級の珊瑚礁地帯であるグレート・バリア・リーフは、珊瑚礁として世界で初めて世界遺産に登録されました。そしてこの珊瑚礁の美しい海には、大小の島々が点在しています。目的や予算を考えて、滞在先を決めるといいでしょう。

※ポイント
映画『ファインディング・ニモ』の舞台でもあるグレート・バリア・リーフには、カクレクマノミも棲息しています。
色々なマリンスポーツやアクティビティが楽しめるので、存分に海の神秘を楽しみましょう。

ニュージーランド

テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド(自然遺産/1990年登録)

フィヨルドランド、マウント・クック、ウエストランド、マウント・アスパイアリングという4つの国立公園からなる世界遺産です。これらの自然公園は多様性に富む生態系を持っていて、氷河期からほとんど変わらない固有種も存在しています。

※ポイント
初心者でも歩けるトレッキングコースを利用するのがオススメ。11月中旬から12月は、高山植物が咲き誇るベストシーズンです。

北米・中南米・オセアニアその他の世界遺産

ペルー

クスコ市街(文化遺産/1983年登録)

メキシコ

古代都市テオティワカン(文化遺産/1987年登録)

ブラジル

リオデジャネイロ・山と海の間のカリオカの景観(文化遺産/2012年登録)

オーストラリア

シドニー・オペラハウス(文化遺産/2007年登録)