月に2回の勉強会は、企業理念である ~信用で創る感動グローバル企業~ の信用、感動というテーマで2週間のうちに理念に添えたエピソード、添えなかったエピソードを毎回一人ずつ社員各自と社長の私がチェックインタイムとして発表します。企業理念を根付かせ行動指針として実践しているかのワークであり、企業にとり最も大事な経営理念を形骸化させないためのコーチングコンサルタントの工夫であると思います。どんな内容かと言いますと

・移転場所に直接行ったことでお客様に確実な案内ができた。
・両替機のトラブル対応を同僚が対応してくれ助かった。
・高額買取お客様の即時対応ができなかったが在庫を調整し失注せずに資金繰りが出来た
・時間外でのイレギュラー来客に対応したら喜んでくれた
・賞与基準達成した、期限内に資格取得者が現れて驚いた
シュークリームの差し入れを食べながら行いました。

といった形で、それぞれ現在のいきいき度も1~3段階で同時に発表します。私が考えて行っているよりはコーチングコンサルタントが司会となって進行してくれますが、さりげないことでありながらも、企業理念が大事とは多くの会社が思っていても実践できないであろう具体的な急所であると思います。勉強会全体の流れもテーマは様々ですが企業理念が基になって沿えるものかどうかという視点で多くの投げかけがされて進行されます。

3/22のテーマは前回の勉強会で出ていた移転に伴う準備や課題を宿題として皆が発表する場になりました。

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▼前回までの宿題
①インカム、カメラなど準備・仕入先パートナーへの連絡
②ATM、金融機関などの地図、案内掲載作成
→次回完成した掲載物を共有ください
③駐車スペースの有無の事実確認。HP・店内にどう掲載するか?検討・決定
→次回完成した掲載物・決定内容を共有ください
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今回は理念に関わるものよりは移転に関わる事務連絡的な意味合いのある内容でしたが、スムーズな業務運営やお客様の利便性をどうすれば向上できるか、そこに信用と感動を生み出すにはという視点で議論しました。 
このように私やコーチングコンサルタントは信用・感動という価値観を根付かせるために毎度の如く口酸っぱく問いかけます。目には見えない観念的なものなので時間はかかると思いますが、少しずつ意識はついてきているように思います。考え方や人によっては性格を変えるというのは一朝一夕にはできませんので根気がいる作業かもしれません。

本来私の考え方は唯物的な、はっきりとした結果が伴うものしか信じない性格です、元々営業マンなので。それでも企業理念を実践することで売上利益につながるとか、さらなる事業拡大に役立つという自分自身への納得感もあり、なおかつ大企業や尊敬する起業家には必ず企業理念が掲げられている事実も重要度も頻度も高く設定している理由です。

何のために事業をするのか
何のために仕事をするのか
何のために生きているのか

哲学的な探求になってしまいますが、こと仕事やビジネスにおいて私達は~信用で創る感動グローバル企業~ですと宣言し、信用や感動を大切に実践していますと言えることができます。私の個人的価値観から生まれたものですので個人理念も同じく、信用を大事にし感動を求め、グローバルに生きたいと思っています。

一通りメインの話し合いが終わったところで毎回最後に、社長の私から締めのスピーチをするのですが、移転がテーマに上がり時期としても迫っているので、社員の皆に実際の店舗には行ったかどうかや新宿という街がどのようなイメージを持たれているかを身近な人の声などを紹介し、大きい、都会、国際的という新規出店するにはとても魅力的で挑戦の場としてはこれ以上ないワクワク感を持っていると伝えました。

私は前述したとおり唯物的な考え方のため、数値目標を掲げて社内に宣言したりすることはありますが抽象的な目標は好きではないので日本一とか、最大手を目指すとい類の話はしてきませんでした。

しかし、インターネットを通じて長年この外貨両替ビジネスに携わり多くのお客様や目標とする数値を超えてきた事実を直視するとそれなりのシェアと知名度があることは看過できない実績であるとも思います。

実際のところ私はまだまだと思いますが、そう思うのも謙遜とは別に、証券会社新卒時代に営業で全く成果を出すことが出来なかった自分とそれとは対照的に結果を出していた上司の方々の大きな背中には到底追いつくことが出来ないという強烈な劣等感のようなものが呪縛のように根付いていると思います。そのため一生納得することはないでしょう。

それはそれで結果を求め続ける姿勢として良い作用が働いていると思いますが、心の片隅では自分にはどうせ出来っこないという厄介な小悪魔が住み着いていてそいつもまた一生除去できずに適切なリスクテイクや高見を目指す事あるごとに邪魔してくるのだと思います。

したがって日本一を目指すとか抽象的な大言壮語は嫌いです。

日本一を目指すのは誰でも出来ます、日本一になれるのは厳密には一社しかなくそれを決めるのは自分ではなく世間が決めることですし、判定方法も曖昧です。世界一とか宇宙一とか起業したての若者が言ったりしますが関心する反面、見ていて痛くもあります。

知人の社長が自らの会社を日本一だと言っていたのを見てかっこ悪いなとも思いましたし、そんなフレーズを使うキャラクターではありませんでしたが、コーチングコンサルタントとの面談でふと「日本一なれると思うんですよね」と口をついて出た時に、それを聞いた彼がやたらと反応してくれて是非目指しましょうとハイテンションで言ってくれて驚きました。

そうだよな、日本一なんてなりたくてなれるものではないけど、もし手が届くところまで来たら目指さない手はないよな。自分ではなくとも身近な人で日本一な会社とか日本一目指している人なんて滅多にいるものでもないし、成功するか失敗するか息を吞む過程を外部からでも垣間見えるのならとても興奮する案件に違いない。うん夢がある。浪漫がある。

そのような経緯があり、社員へのスピーチでも日本一を目指すと言いました。
もし日本一を獲れそうな位置にいたら社員の皆だったらどうする?
私は今ある全財産ぶちこんで24時間無休でも喜んで働くよ!
皆はこんな経験ある?
私は41年間生きてきた人生の中でこんな千載一遇のビックチャンスは初めてだ、皆も一緒に頑張ろう!
というようなことを言いました。さぞかし皆が目を輝かせているだろうとその顔を伺ったとところ、

皆お通夜のように無表情でシーンと固まっていました。

経営者と従業員は男と女くらい性質が違う生き物だと聞いたことがあるので、まぁこんなものだろうと構わずに進めました。

コロナが終息するまでに何もしないというのは経営者としてあり得ない、幸いにも業績が堅調で好立地が空いていた幸運にも恵まれ、将来的にインバウンドが復活して需要が高まれば今の何倍もパワーアップした業績をたたき出すことが出来ると熱弁を振るいました。

そして今後の作業についても、容易に想像がつくことは会社や私に頼るのではなく自分のことは自分で解決するように。

また、勉強をしているかどうかも人材派遣会社の国際的なデータを基に如何に日本人が勉強していないかを示し勉強の習慣を少しでもつけることで頭一つ抜け出せるのだと諭しました。なぜそう言うかはいつもの通りで、社員のキャリアのため他の業界で通用するように自社から恥ずかしい人を出したくないので、やらないなら早々にやりません宣言してもらえれば大丈夫です。休業があるから“はいそうですか“とはなりません、詳細は話しませんがどうなるかは想像してくださいと。

これは給与が補償され休業しているにも関わらず資格制度に挑戦していない社員に向けてのエールというか説教になったかもしれませんが合格者が出たことで私自身の正当性を主張している面もあり上から言いました。

勉強するしないは個人の自由ですが、勉強するしないのメリットデメリットを教えることは難しいので悩むとも付け加えておきました。皆の親ではないのでこれ以上は言わないが評価には影響させると。

改めて理念がなぜ大切かを各自に問い、
仕事やビジネスにはユニークな差別化が大事だ、あなたじゃなくてもいいと言われないために、あなたから買う理由を、ファンを創り、目立つんだ!
そしてさらに仕事やビジネスにはメンターが必要で、もちろんいないだろうからデジタルメンターとして憧れている人を目標に据えたり、その人物を勝手に師事することも世間では流行っているようで私も似たようなことをしていると。

そして感謝はしましょう、ありがとうごめんなさいをちゃんと言える関係でいましょう。
感謝といえば、引越しろとか資格取れとか言われるのがダルいなら乗っかる人にしか会社は提案しなくなる、良い仕事を振ることもなくなるよと。
方針や提案を拒否するなら代替案出せ、我々は日本一を目指す銀行だよね。
零細企業と思ってない?違うよ、私は違うと思っている、何でと思う?
会社は普通に消えるよ、面接にも廃業した同業者来たよね、先日もFX会社が外貨両替事業撤退したよ、それにも関わらず緊急事態宣言でこれだけ賞与出せる、中にいて当たり前だと思って危機感ないと思うけど私が勤めていた頃より皆さん給与いいよ。

規模は零細企業だけど集客の件数、取扱金額はもはや零細ではないよ、わかってる?
かつての総理大臣が「もはや戦後ではない!」と言い放ったように、高らかに言って見せました。
メモが残っているので、思いの丈をもうね全部言いました脈絡なく。

社員の皆は相変わらずシーンとしていました。

スピーチを終えた後、司会のコーチングコンサルタントが場所を変えて私に言いました。

佐藤さん、皆の反応どう思いましたか?
まぁ予想通りの反応でしたね、温度差があるのは致し方ありません、熱い方が冷めている方に熱量が取られるわけにはいきませんので、私はこのまま行きたいと思います。

コーチングコンサルタントは深く考え込んだ挙句、
何故か佐藤さんは上から抑えるような話し方になってしまっているんですよね。
合理的でビジネスライク、言いたいことはわかりますし間違っていないのですが、
目線を合わせる機会のはずがとても高い所からこうしないとこうなるぞというメッセージ性が強く、仲間という意識で一緒にやっていこうという気持ちを伝えたいのにすごくもったいないと思います、と言われました。

社員がどう思っているのか、それぞれの本音は私の立場から聞きだすことは不可能です、立場が逆ですからと返しました。

しかしながらコーチングコンサルタントもまたなぜこうなるのか、どうすれば良いのかということを一緒に悩んでいるようでした。

ビジネスライクや損得勘定、因果応報や信賞必罰主義の持ち主である私はついてこようと思わない人の気持ちがあまり、いや全くと言っていいほどわかりません。だって皆お金稼ぎたいよね、会社も自分も成長して厳しくも視座の高いビジネスマンになりたいよね。仮に残念ながらついてこれないならおいていかれても仕方ないよね、トップ集団が後続のためにスピードを緩めたら全体が停滞してしまう。と伝えました。

それでも彼は見捨てないという選択肢を取る方が良いと言いました。決して人を否定しない彼らしい考え方だなと思いました、どんな人にも良い点が必ずありそれにフォーカスしていきましょうと。

私は考えましたがそれはつまり今までの考え方を結構大きく変えることだなと、理屈はわからないでもないが起業という超現実的な世界で生きてきた私の本能が、後ろを振り返り駆け寄って手を差し伸べるという姿勢をそう簡単に実践できるかといえばもちろん簡単ではないでしょう。

しかしコーチングコンサルタントの彼と私の二人の共通の目的は会社を良くし成長させることであり、同じ仲間であるという根本的な原点に立ち返ってみれば根も葉もないきれいごとではないだろうし共に模索しても最大の目的が達成されるのに良き作用があるのならば信念を一旦横に置いてみることもまた耐えるべき試練なのかなと、私は了承し柔軟に対応しますと告げました。

ユニークさを標榜している私自身は上記のことができた暁には、なおユニークさに磨きをかけることができるでしょう、そこは経営者の器として他者にはない強い武器になり得る、しかし一人では絶対に出来ないだろうから今後も彼の伴走が必要になるのだろうと思いました。