年末年始の海外旅行に向けて…知っておきたい危機管理の知識
2025年もあとひと月ちょっと、といったところですね。年末年始に向けての海外旅行計画は順調に進んでいますか? 荷物やチケットなどの準備も万端であとは出発日を待つだけのワクワク期の間に、海外旅行での“危機管理”について考えてみましょう。
海外旅行での危機管理とは?
海外旅行中に起こる可能性がある“犯罪トラブル”や“災害トラブル”。これらの万が一のために必要なのが危機管理の知識です。
【危機管理とは?】ここでいう危機管理とは、海外旅行中に「事件や事故、自然災害などの危機的な事態に遭わないようにするための準備」と、「危機的状況に遭ってしまった際に損害を最小限に抑えるための対処の方法」のことです。
危機管理で最も重要な防犯対策
日本での日常生活とは異なる文化や景色を体感して現地の人たちとの交流を楽しめるのが海外旅行の最大の魅力ですが、不慣れな場所と環境の中では思わぬトラブルに遭う可能性もあります。特に観光客をターゲットにした犯罪は世界中で多発しているので、被害に遭わないためにも事前の防犯対策は必須です。
海外で犯罪に遭いやすい要注意パターン
【危険地域に入る】当然のことですが、その国で危険とされる地域に興味本位で入ったりすると犯罪被害に遭う確率はグ~~ンと跳ね上がります。海外安全アプリなどで危険地域を事前に確認、絶対に入らないようにしましょう!
【観光地での気のゆるみ】現地の観光地でテンションが上がるのは当然のことですが、そのために防犯面の気のゆるみがあると、犯罪者はそこを見逃しません。特に観光地でのスリ、置き引きには要注意。荷物を置いたままの写真撮影はNG! 知らない人にスマホなどを渡すのも危険です。撮影は荷物を持ったまま、自撮りはセルフタイマーなどを活用、2人以上の旅行ならお互いに協力して防犯対策をとりましょう。
【カフェやレストランでの食事中】食事中などはホッとする時間でもありますが、ここでも最低限の注意は必要。日本ならスマホをテーブルに置いての食事や椅子の背もたれや足元に荷物を置くのは割と普通ですが、海外では厳禁です。スマホも荷物も気づいたときには無くなっているかも…。スマホはポケットやバッグにしまう、荷物は必ず膝の上か、バッグフックでテーブルに固定しておきましょう。
【公共交通機関の利用中】バスや地下鉄の車内では特にスリの被害が多いといえます。乗降時の混雑に紛れてポケットやバッグからスマホや財布を抜き取ります。車内が混んでいるときには、貴重品はウエストポーチや防犯バッグに入れる。バッグは必ずファスナーを閉めてカギをつけて前に抱えるようにしましょう。タクシーでは不正料金請求や遠回りなどもあり得るので、公式アプリを使って利用することが重要です。
【夜間のひとり歩き】海外では夜間のひとり歩きは危険。バイクに乗った犯人にバッグをひったくられる、スマホを見ながら歩いていて後ろからスマホを取られるなどの被害が多いです。海外旅行中はひとりでの夜間外出は控えたほうが無難。外出するなら複数人で大通りなどの明るい道を歩くようにしましょう。
【知らない人に話しかけられたとき】海外では、親切そうに話しかけてくる人には詐欺師である可能性もあるので用心が必要です。初対面にもかかわらず、やたら親切な人は特に要注意。話しかけてきたら一定の距離を保ち、財布やスマホはしまっておきましょう。また、周囲に人がいないようなら「No thank you.」といってすぐにその場を離れるようにしましょう。
もし犯罪被害に遭ってしまったら
【盗難に気づいたら周囲を確認】もし犯人が確認できても自分で追いかけるようなことは絶対に厳禁です。海外の場合ナイフや銃を持っている可能性もあります。大勢の人がいるようなら、盗難されたことを大声で周囲に知らせるといいかもしれません。犯人が盗んだものを置いて逃げる可能性も出てきます。
【警察に盗難・紛失届を出す】なるべく早く最寄りの警察署に行って、盗難証明書(Police Report)を出してもらいます。これは保険請求やクレジットカードの補償を受ける際に必ず必要となります。警察では、盗難や紛失の詳しい場所、被害に遭った日時と状況、盗難や紛失したものの詳細を詳しく伝えましょう。万が一のために、パスポートやカードの番号は事前に控えておくとスムーズに手続きができます。また、現地の警察に行くのが不安であれば、現地の日本大使館に相談するといいでしょう。
【パスポートの盗難時には即手続きが必要】もしパスポートを盗難、紛失した場合には何より先に警察に行って盗難証明書を貰い、現地の日本大使館や領事館で再発行手続きを取ります。パスポートの再発行には時間がかかることを覚えておいてください。必要書類を出して仮パスポートを発行してもらえば、とりあえずは安心です。
【その他】クレジットカードの盗難、紛失時には、早急にカード会社に連絡をして利用停止の手続きをとりましょう。カードによってはスマホで利用停止設定ができる場合もあるので、事前に要確認です。また、スマホの場合には遠隔ロックやデータ消去などが必要になりますが、まずはスマホのキャリアに連絡をして指示を仰ぐといいでしょう。海外旅行前にスマホの“デバイスを探す”機能を有効にしておくことを忘れずに!
海外旅行者に必須のサイト&アプリ
海外旅行者をはじめとして海外で暮らす日本人のためのサイトやアプリを活用することが、防犯対策の第一歩といえます。ここでは代表的なものを紹介しましょう。
【外務省「海外安全ホームページ」&「海外安全アプリ」】
https://www.anzen.mofa.go.jp/
本コラムでも以前から紹介してきた外務省発信のホームページとアプリです。外務省発なので信頼度は最高水準。パスポートやビザ、海外旅行保険などの出発までの準備や、現地でのトラブル回避マニュアルなどを掲載しています。また、「海外安全アプリ」ではGPSを利用した各地域の安全情報や緊急連絡先の確認など、安全に関する様々な情報を現地でチェックすることが可能です。「App Store」「Google play」からダウンロードできます。
【たびレジ】
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html
このアプリも外務省が提供していて、最新の安全情報を日本語で受信できます。出発する前から旅先の安全情報が解り、旅行中には常に最新情報がアップされます。さらに現地で事件や事故に遭った際には、早急な支援をしてくれるのも心強いです。
【リスクメイト】
https://riskmate.jp/
リスクメイトとは、海外旅行者が現地で実際に見るか遭遇した犯罪(スリ、盗難、詐欺、恐喝、暴力被害、性被害など)やデモやテロなどの危機的状況の経験を投稿、その詳細情報をマップから確認することができるサイトです。旅行前や旅行中に現地で多い犯罪を確認することで注意が必要な場所を知り、防犯対策が立てられます。
※犯罪被害場所はマップに種類別で色分け表示
マップ上には犯罪の種類別に色分け表示されているので、その犯罪の危険地域を一目で確認できます。さらに設定で大使館や領事館などの位置情報も表示可能です。
※閲覧はサイトを開くだけ、投稿は会員登録(無料)が必要
リスクメイトを閲覧して各国の犯罪被害状況を見るだけならサイトを開くだけでOK。自分の体験を投稿する、他の投稿にコメントをするなどの場合には会員登録が必要です。最初は閲覧するだけにして、慣れてきたら会員登録して投稿機能を使うようにすればいいかもしれません。
※使用時の基本的な注意事項
投稿されている情報はあくまで投稿者の体験に基づいているために、100%正確だとは限りません。閲覧時に複数の情報を比較しながらその正確性を自分自身で判断するようにしましょう。ひとつの目安としては、同じ場所や地域では同じ犯罪が多発することも多いので、複数の投稿がある場合には信頼性が高い考える基準になりそうです。









































