日本だけじゃない! 海外旅行で世界の花火大会を見に行こう
日本の夏の風物詩といえば花火ですよね。ですが世界の国々でも打ち上げ花火が見られる大会があるのです。さらにいえば、海外では“花火は夏のもの”というわけではなくどんな季節でも見ることができます。今回は、そんな海外の花火のお話しです!
日本の花火と世界の花火の違い
日本と世界では花火大会の意味合いや歴史、花火の技術的な違いがあります。まずはその違いから見ていきましょう。
日本の花火
【歴史】一説によると、ポルトガルから種子島に火縄銃が伝来したと同時に、観賞用の花火が持ち込まれたといわれています。最初は鉄砲や狼煙(のろし)として使われていましたが、江戸時代以降には現在の見るための花火に用途が広がったとされています。
そして花火大会の大元といわれるのは、江戸時代に徳川第8大将軍・徳川吉宗が死者の慰霊や悪疫退散を願って東京の両国の水神祭で花火を打ち上げたこととされています。
【花火の技術】日本の花火が世界でも絶賛されるほど美しい秘密は「球体状の花火玉」にあります。火薬を球状に配置しておくことで爆発時に完璧な円形に開花するこの技術は日本独自であり、世界でも類を見ない壮大な美しさを生み出しています。さらに花火玉の内部を多重構造にすることで、爆発した瞬間から時間差で異なる形と色が出現して美しいグラデーションを描くことを可能にしました。
【花火大会の特徴】日本では大なり小なり花火は夏の風物詩であり、毎年夏になると日本全国で壮大な花火大会が催されます。特に有名なのは日本三大花火大会といわれる“大曲の花火/秋田県”“土浦全国花火競技会/茨城県”“長岡まつり大花火大会/新潟県”です。また、東京の隅田川花火大会はテレビ番組として放映されるほど有名なのはご存じの通り。他にもあちこちで大規模な花火大会が開催されています。
世界の花火
【歴史】世界の花火にも諸説ありますが、古代中国の狼煙が花火の起源とされています。7世紀の竹筒を使った原始的花火が最初でありその後に軍事用火薬兵器として発達、12世紀頃に祝祭用花火として確立していきました。そして13世紀にはマルコ・ポーロによって西洋に伝来、イタリアなどで祝砲として発達して花火は王室行事には欠かせない存在となっていきました。一方、アメリカでは18世紀の独立戦争時代から花火が愛国心の象徴として位置づけられていき現在に至ります。
【花火の技術】西洋の花火は円筒型で縦方向に火薬を配置していることから、一方向に強烈な光を放射します。花火は扇状や一方向に開花しますが色は単色です。どちらかというと視覚的美しさより音響効果を重視する傾向があり、大きな爆音で祝砲や合図としての役割が花火の主目的となっていました。ですが18世紀に入り、芸術的花火が全盛期を迎えることで多種多様な観賞用花火が造られていきます。
【花火大会の特徴】世界では国によって花火大会の趣旨や内容が異なるので、主な国を紹介していきましょう。
※アメリカ
主に開催されるのは、毎年独立記念日の7月4日とお正月。特に独立記念日にはアメリカ各地で壮大なイベントを開催、同時にド派手な打ち上げ花火も楽しめます。ちなみに7月の大会は日照時間の関係で21時頃からのスタートが多いです。
※イギリス
イギリスでは毎年11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」という平和を願うイベントがあり、そこで花火が打ち上げられます。
※イタリア
見て楽しむ花火の元祖であるイタリアでは、毎年7月の第3日曜日に「レデントーレ祭り」という花火大会が開催されます。
※シンガポール
毎年、大晦日20時スタートの「マリーナ・ベイ・シンガポール・カウントダウン」が最大の花火大会。小さな花火から始まり、大きく色鮮やか花火が打ち上げられます。
※台湾
台北で新年を祝う1万発以上の打ち上げ花火大会が開催される他、2月頃には厄払いの花火大会も催されます。
※韓国
秋に開催される「ソウル世界花火祭り」が韓国最大規模の花火大会です。日本や中国、アメリカ、イタリアなどそれぞれの国の花火を川に浮かぶ船から打ち上げるのがポイントです。
これは行きたい! 世界の有名花火大会
現在では1年を通して世界で楽しめる花火大会。その中でもチャンスがあれば海外旅行計画に組み込みたい注目の大会をご紹介!
ギネス世界記録に認定された3大花火大会
やっぱり世界はスケールが段違い! まずはギネスの世界記録を持つ大注目の3大花火大会です。
【Steamboat Springsウインター・カーニバル/アメリカ】毎年2月下旬にコロラド州で開催されるのが「Steamboat Springsウインター・カーニバル」です。5日間に渡り開催されるカーニバルの4日目19時からスタートする夜の祭典にて、アスリートたちのパフォーマンスと共に大規模な打ち上げ花火が始まります。2020年2月8日に打ち上げられた花火が、“世界最大の打ち上げ花火”としてギネス認定されました。
【ラス・アル=ハイマ・ニューイヤーズイブ/アラブ首長国連邦】ラス・アル=ハイマで年越しに開催されるカウントダウンイベント「ラスアルハイマ・ニューイヤーズイブ」で打ち上げられる約12分間の花火。この大会では「最長の連鎖花火、最長の直線花火、同時に花火を打ち上げた無人空中機の数、最長の花火の滝」の4つのギネス世界記録が認定されています。
【ブルジュ・ハリファ:カウントダウンイベント/ドバイ】新年を祝うカウントダウンイベントで盛大な花火大会を開催しているドバイ。世界一の高層ビル、ブルジュ・ハリファを中心に人口島パームアイランドなどから花火が打ち上げられます。その中で、6分間に50万発の花火を打ち上げたことで「世界最大の花火打ち上げ数」のギネス世界記録が認定されています。
世界のおすすめ花火大会
【革命記念/フランス】7月14日にパリで開催される建国記念を祝うイベントでは、圧巻の花火大会が催されます。エッフェル塔と打ち上げ花火のマッチングが、夜のパリの街を彩ってくれます。新婚旅行や結婚記念などの海外旅行でぜひ訪れて欲しい花火大会です。
【ハノーバー国際花火大会/ドイツ】毎年5月から9月の土曜日にハノーバーで不定期開催される国際花火大会。国別対抗として各国の花火が打ち上げられるので色々な種類が見られます。海外旅行計画に入れるのなら、不定期なので開催日を事前に要チェックです。
【オーストラリア・デイ/オーストラリア】オーストラリアの毎年1月26日は国民の日としてオーストラリア・デイに指定されていますが、その中シドニー・ダーリングハーバーで花火大会が開催されます。日中はボートパレード、夜は花火と1日中楽しめちゃいます。
【モントリオール国際花火大会/カナダ】モントリオールで開催される国際花火大会では、7月の毎週水曜日と土曜日の22時から約30分間に色々な国の花火職人たちが花火を打ち上げます。国によって異なる花火の壮大さや美しさを堪能できる大会なので、7月にカナダに行くなら見逃せないイベントです!
【プトラジャ国際花火大会/マレーシア】毎年8月31日の独立記念日行事のひとつとして、プトラジャで国際花火大会が開催されます。世界各国から複数の花火チームが参加しますが、日本からも花火職人が花火を打ち上げます。世界の様々な花火と同時に、日本の花火を海外で見るという体験ができるのがポイントです。