イスタンブールのグランドバザールで騙された話

旅行情報

あなたの旅行先の国名・都市名

トルコ　イスタンブール

あなたが旅行に行った年月

2010年3月

あなたが旅行に行った回数

８回

あなたの年齢、性別、職業

33歳　女性　主婦

一緒に旅行に行った人の人数

２人

トラブル体験をした場所

イスタンブールのグランドバザール内の両替所

トラブル内容

私は海外旅行が好きで、これまで5か国をホームステイや旅行、ボランティア活動で訪れました。これはトルコで私が体験した、外貨両替に関するトラブルの体験談です。

トルコへは、女友達と二人で日本の旅行会社が企画したパッケージツアーに参加して訪れました。アジアとヨーロッパの架け橋と言われるトルコですが、その名の通り両方の文化が織り交ざっているような、エキゾチックで独特の雰囲気があります。そのパッケージツアーはトルコを一周しながら各名所を巡る、欲張りな内容で私たちはそれまでにカッパドキアやパムッカレ等の名所を訪れ、その景色の美しさに大満足。とても楽しい旅をしていました。

ツアー最終日、私たちはイスタンブールのグランドバザールを訪れました。グランドバザールとは1400年代から続く歴史ある市場で、3万㎡以上ある広大な敷地に約5,000件ものお店が軒を並べており、その規模は世界最大とも言われています。そこではトルコ絨毯や、様々な色に光り輝くトルコランプ、トルコ石やスパイス類等、トルコを代表する様々なジャンルの品々が購入できるので、お土産選びにはぴったりでした。

その大きな建物に入った瞬間、私はその独特な雰囲気に圧倒されました。中ではそれぞれのお店の人々が大きな声を上げて客寄せしており、とてもがやがやとうるさく、競い合うように商品をアピールしてきます。私は正直、落ち着かないなと思いました。

それまでも外国の市場を複数訪れたことはありますが、他のものはもっと落ち着いていて、お店の人ももう少し穏やかで、商品をゆっくりと選ぶことができるところがほとんどです。世界最大だからなのでしょうか。そんなもやっとした気持ちを抱えて、私と友人は外貨両替に向かいました。

当時、トルコの治安はとても悪いわけではないものの、決して良いとは言えませんでした。私たちは、現金をたくさん持ち歩くことを恐れ、複数回現地で両替しようとあらかじめ決めていました。最終日でお買い物がメインとなるこの日、バザール内で最後の両替を行うことにしたのです。

その両替所は、分かりにくい場所にありました。両替所マークを頼りにたどり着きましたが、見つけた時の最初の感想は「こわい」でした。これまで通ってきたバザール内の通路のガヤガヤと賑やかな雰囲気とは真逆で、とても静かでひっそりとして、更に薄暗かったです。周りにお店はあるものの、お店の人々も静かに座っており、客寄せなどしません。人気もまばらでした。

なにかあったら、やばいなと思いました。人が少ないからです。助けてくれる人がいないんじゃないかと感じました。でもここまで来たら仕方ない、早く両替を終わらせて賑やかなところに戻ろう！と私たちはカウンターに向かいました。

カウンターには男性が3人いました。3人も必要ないんじゃないかとまたしても警戒心が高まりましたが、恐る恐るお金を差し出しました。するとその男性は何食わぬ顔で受け取り、淡々と処理をして両替後のトルコリラを差し出してきました。

金額を確認…。やはり、少ない！やられたと思いました。額で言えば日本円で500円ほどでしたが、少ないんじゃないかと訴えました。すると男性たちは顔色一つ変えず、ＯＫというジェスチャーをしてきます。もう一度食い下がろうと、再度訴えたその時です。3人の男性がそろって怒った表情となり、怒鳴り散らしてきました。しかも英語ではなくトルコ語で言うので何を言っているか全く分からず、ただただ恐怖で足がすくんでしまいました。周りのお店の人たちを見ると、まるで気づいてないかのように見て見ぬふりをしています。私は、ここではこれ以上何かされたときに危険と判断し、友人の手を引いてその場を足早に去りました。

後ろからは、男性たちの笑い声とともに「アリガト！」という叫び声が聞こえました。すごく、侮辱された気分で悔しかったです。周りのお店の人々の様子からして、おそらくあの両替所ではこのようなことが日常的に行われているのではないかと思いました。騙す相手を、性別や国籍で選んでいるのではないかと思います。

友人はもう少し交渉すればよかったと強気に怒っていましたが、私はお金を少し失ったとしても、安全第一で海外を旅することをモットーとしているので、この判断は間違いではなかったと思います。失ったものがお金だけでよかった。心や身体を傷つけられたら、一生消えることはありません。とはいえ、楽しいはずの旅行中に起きたとても悔しいトラブルでした。