旅行情報

あなたの旅行先の国名・都市名

ブラジル、リオデジャネイロ

あなたが旅行に行った年月

2023年2月

あなたが旅行に行った回数

6回目

あなたの年齢、性別、職業

31歳、女性、旅行ライター

一緒に旅行に行った人の人数

単独

トラブル体験をした場所

リオのコパカバーナ地区の路上両替所

トラブル内容

鮮やかな衣装が舞い踊るリオのカーニバルシーズンに訪れた私は、熱気あふれる街並みとリズムに身を委ねながら、ブラジル独特の文化を全身で感じていました。
コパカバーナやイパネマの海岸線を歩き、青く広がる大西洋の風を感じるたびに、この旅が夢のように思えました。
街中はカーニバルのために彩られ、色とりどりの装飾や笑顔が溢れていて、地元の人々とも気軽に挨拶を交わすことができ、心が温かくなる毎日でした。
音楽とダンスが街の至るところから聞こえ、昼も夜も活気に満ちているリオデジャネイロは、私にとって忘れられない場所となりました。

しかし、そんな楽しい時間の中に、思わぬトラブルが潜んでいることに私はまだ気づいていませんでした。
旅の初日、空港の公式な両替所で必要最低限のブラジル・レアルを手に入れ、快適な旅をスタートしましたが、現金は想像以上に早く底をつき始めました。
カーニバルの屋台での食事や飲み物、さらにはリオの街を走り回るタクシー代など、小銭が次第に足りなくなってきたのです。
カードが使える場所も多いものの、細かな支払いにはやはり現金が必要でした。

そのため、コパカバーナの賑やかな路上を歩いているときに、現地の男性から声をかけられました。
彼は流暢なポルトガル語と英語を駆使しながら、「正規の外貨両替所よりもずっと良いレートで両替してあげるよ」と熱心に話しかけてきました。
最初は警戒心が強く、近づきたくない気持ちもありましたが、彼の自信に満ちた態度と、スマホの画面に映し出されたリアルタイムの為替レートを見せられると、少しずつ心が揺らぎました。
彼の言葉はとても説得力があり、周囲の観光客も何人か同じように両替している様子でした。

時間にも追われていた私は、友人と短く相談した後、「少しだけなら」と判断し、50ドル札を手渡しました。
彼は手際よく札束を数えながら現地通貨のブラジル・レアルを丁寧に渡してくれ、その場の雰囲気も相まって一安心したのを覚えています。
人通りの多い賑やかな通りだったこともあり、騙されているとは思いもしませんでした。

しかし、ホテルに戻ってからゆっくりと現金を確認した瞬間、違和感が強まりました。
彼から受け取ったレアル紙幣の中には、変色して擦り切れているものや、印刷が粗雑で偽札の疑いがあるものが混ざっていたのです。
数枚は、地元の小さなコンビニエンスストアで使おうとしたところ、「これは使えない」と断られてしまいました。
観光でわくわくしていた気持ちが一気に冷め、胸が締め付けられる思いでした。

慌てて彼のもとに戻ろうとしましたが、どこにも彼の姿はなく、周囲の人々に聞いても「知らない」「そんな人はいなかった」と冷たい返答ばかり。
人混みに紛れて消えた彼はもう見つかりませんでした。
煌びやかなリオの街並みの裏側に、こんな狡猾な詐欺師が潜んでいるとは信じられませんでした。

その後、現地で信頼できる日本語ツアーガイドに相談したところ、「観光客相手の非公式な路上両替は非常にリスクが高く、こうした詐欺は決して珍しいことではない」と厳しく警告されました。
ガイドからは、空港や大手銀行、認可を受けた両替所のみを利用することが何よりも安全だと改めて教えられ、これまでの甘さを痛感しました。

カーニバルの熱狂に身を任せていた私にとって、このトラブルは大きな教訓となりました。
ブラジルの豊かな文化や美しい自然、活気ある人々との触れ合いは色あせることなく輝いていますが、その裏には注意すべき現実もあることを忘れてはならないと強く思います。
今後の旅では、どんなに便利に見えても慎重に行動し、現地通貨の両替は必ず信頼できる場所で行うことを肝に銘じています。

トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動

路上の個人両替は避け、空港や銀行など公式な場所でのみ両替すること。
慌てず冷静な判断が大切。