ティカル遺跡で油断した外貨両替の落とし穴
旅行情報
あなたの旅行先の国名・都市名
グアテマラ、ティカル
あなたが旅行に行った年月
2024年2月
あなたが旅行に行った回数
5回目
あなたの年齢、性別、職業
34歳、男性、建築設計事務所勤務
一緒に旅行に行った人の人数
単独
トラブル体験をした場所
ティカル国立公園入口付近の露店エリア
トラブル内容
マヤ文明の最高傑作とも言われるティカル遺跡。
グアテマラ北部、ペテンの熱帯雨林にそびえ立つ巨大な石のピラミッドに、私はずっと憧れていました。
2024年の2月、乾季の最中に一人旅を敢行。
フローレスという湖畔の小さな町を拠点に、
早朝ツアーに参加して念願のティカルへ向かいました。
ジャングルに沈むような早朝の道をバスで走り、
空が明るくなる頃にティカル国立公園のゲートに到着。
入場手続きのあと、ツアーガイドと共にいよいよ古代マヤの中心へ。
第1神殿の頂から見下ろす濃緑の森と、
遠くに突き出す第4神殿のシルエットは、本当に息を呑む美しさでした。
帰りのバスの出発まで少し時間があり、公園入口の土産エリアを歩いていたときのこと。
民芸品を見ていると、若い現地男性が「ケツァル必要?ドルから替えてあげるよ」と声をかけてきました。
ティカル周辺はカードがほとんど使えず、私はすでに現金のケツァルを使い果たしていたところ。
小腹が空いて屋台の軽食でも買いたいなと思っていたタイミングだったので、つい立ち止まってしまいました。
彼は「銀行よりいいレート、1ドル=8ケツァル」と言い、スマホの計算機でさっと計算を見せながら笑顔でアピール。
私もなんとなくその勢いに押されて、50ドル札を渡してしまいました。
その場でケツァル紙幣を数えて渡されたので「大丈夫だろう」と思っていたのですが、問題はその後でした。
軽食屋の屋台でケツァル札を出したところ、店主が一瞬顔をしかめて「これ…偽札だと思うよ」と低い声で返してきたのです。
まさかと思い、他の店でも確認してみましたが、2枚は明らかに印刷が粗い「コピー」紙幣で、残りもかなり怪しい。
急いで両替をした場所へ戻ってみたものの、そこにはもう誰もおらず、同じ服を着た人もいない。
ツアーの出発時間も迫っていて、それ以上どうしようもありませんでした。
結果的に、25ドル以上を無駄にした計算になります。
ティカルという聖域のような空間で、こんな現実的な詐欺に遭うとは思いもよりませんでしたが、
「観光客が必要なタイミングでつけこまれる」という意味では、非常に計算された手口だったのだと、あとで思いました。
旅行自体は本当に素晴らしいものでした。
ジャングルに響くホエザルの声、熱気とともに立ち上がる遺跡群、そして古代文明の壮大さに圧倒される景色。
けれど、この外貨両替トラブルがその記憶に小さな陰を落としたのも事実です。
「旅慣れたつもりでも、気が緩むと足元をすくわれる」ティカルの森の中で学んだのは、そんなシンプルで重要な旅の教訓でした。
トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動
事前に十分な現金を空港か都市部で両替し、観光地の路上では絶対に現地通貨をやりとりしないべきだった。
少額でも油断は禁物。
