ベトナムの街角で経験した外貨両替に潜む狡猾な手口

旅行情報
あなたの旅行先の国名・都市名
ベトナム、ホーチミン
あなたが旅行に行った年月
2019年8月
あなたが旅行に行った回数
10回目
あなたの年齢、性別、職業
48歳、男性、自営業
一緒に旅行に行った人の人数
単独
トラブル体験をした場所
ホーチミン市内のブイビエン通り近くにある私設両替所
トラブル内容
仕事の合間の休暇を利用して、一人でベトナムのホーチミンを訪れた際の話です。
私はこれまで仕事やプライベートで20回以上は海外に渡航しており、現地の空気感や立ち振る舞いには人一倍慣れている自負がありました。
しかし、その慢心こそが大きな落とし穴となったのです。
滞在4日目の昼過ぎ、市場で家族への土産物を物色していた私は、手持ちの現金が心もとなくなっていることに気づきました。
クレジットカードが使える店も増えてはいますが、現地の小さな商店や屋台では依然として現金が主流です。
そこで、街中で見かけた私設の両替所に立ち寄ることにしました。
その店はバックパッカーが集まる賑やかな通りに面しており、表の看板には非常に有利なレートが掲示されていたのです。
店に入ると、中年の男性スタッフが忙しそうに電話をしていましたが、私を見ると愛想よく応対してくれました。
私は日本円の3万円分を現地通貨に替えるよう依頼したのです。
彼は手際よく電卓を叩き、提示された金額は事前の相場よりも少し良いくらいの妥当なものでした。
ここまでは何の不審な点もありませんでしたが、実際の現金を手渡される段階で巧妙な仕掛けが待ち受けていたというわけです。
スタッフの男性は、大量のベトナムドン札をカウンターの上に並べました。
ベトナムの紙幣は桁数が非常に多く、慣れていないと1枚ごとの価値を瞬時に判断するのが難しいという特徴があります。
彼は私の目の前で1、2、3と声を出しながら札束を数えていきました。
その最中、彼は私に対して、どこから来たのか、ベトナムのビールは口に合うか、といった世間話を絶え間なく振ってきたのです。
私は愛想笑いを浮かべながら適当に相槌を打っていましたが、この会話こそが私の注意力を削ぐための罠だったのでしょう。
彼は数え終えた札束を器用にまとめると、最後に一番上の紙幣をめくって再度合計額を確認させるような仕草を見せました。
そして、素早い手つきで札束を輪ゴムで留め、私に差し出したのです。
私は彼の手際の良さとフレンドリーな態度に安心しきっており、背後に他の客が並んでいたこともあって、その場ですべての枚数を再確認することなく財布に収めて店を後にしました。
異変に気づいたのは、その日の夕食を終えてホテルで家計簿をつけていた時です。
財布から取り出した札束を改めて数え直してみると、明らかに合計額が足りません。
よく確認すると、高額な50万ドン札の間に、色が酷似している5万ドン札が数枚紛れ込んでいたのです。
さらに、束の真ん中あたりには、おもちゃのような偽札に近い質の悪い紙幣も混ざっていました。
合計すると日本円で約7000円ほどの損失だったのです。
私は激しい怒りと、こんな単純な手口に引っかかってしまったという情けない気持ちで一杯になりました。
すぐさま店に戻って抗議することも考えましたが、既に数時間が経過しており、その場で確認しなかった以上、証拠不十分で追い返されるのは目に見えています。
何より、旅の貴重な時間を不愉快な口論で浪費したくないという思いが勝ち、結局は自分への戒めとして諦めることにしました。
今回のトラブルを振り返ると、どれほど旅慣れているつもりでも、相手のペースに乗せられて確認を怠ることがどれほど危険かを痛感します。
外貨両替においては、相手の愛想の良さやレートの良さに惑わされず、常に冷静さを保つことが不可欠です。
このトラブルを防ぐために最も重要だった行動は、周囲の視線や相手のプレッシャーを一切気にせず、受け取ったその場で全ての紙幣を一枚ずつ自分の手で数え直すことでした。
また、看板に書かれたレートだけでなく、最終的に手渡される金額をあらかじめメモに書かせ、それと一円の狂いもないかを確認する執念が必要です。
さらに、そもそも怪しげな路地裏や私設の両替所を避け、レートが多少悪くても信頼性の高い銀行やホテルのフロントを利用するべきだったと感じています。
自分の経験を過信せず、基本に忠実であることの重要性を学んだ苦い経験となりました。
トラブルに巻き込まれないためにするべきだった行動
どんなに急かされても、受け取った現金はその場で一枚ずつ丁寧に数え直し、高額紙幣の中に低額紙幣が混ざっていないか、自分の目で徹底的に確認するべきでした。









































