海外旅行でタクシートラブルを避けるためのポイントとは?

海外旅行先での移動手段でとても便利なのがタクシーです。レンタカーを借りるのも方法ですが、手続きや外国での交通ルールの違いを考えると、ちょっと躊躇してしまう人もいるでしょう。そうなると、電車やバスよりもお金はかかるものの、タクシーを利用するのがいちばん、ということになります。

とても便利なタクシーですが、海外ではタクシーによる料金トラブルが比較的多くある、ということも忘れてはなりません。今回は、海外旅行先でタクシーに乗る時の注意点を紹介していきましょう。

海外でのタクシーのシステムを覚えておこう

海外のタクシーは、日本とは料金システムが少し異なります。まずは基本的なシステムから覚えておきましょう。

荷物があるときにはチップが必要

タクシーに乗る時に、トランクに荷物を入れて貰った場合、メーターのタクシー料金とは別に料金の10%ほどのチップを払うことが必要です。

追加料金が必要な場合もある

有料道路の通行料、深夜や早朝などでの特別な時間指定、さらに空港などに乗り入れる時の特別料金なども、通常の料金に加えて追加料金として支払う必要があります。

お釣りをちょうど返してくれない国も…

海外の中でも、アジアの国ではタクシー料金を支払った時にお釣りをちょうど返してくれないところもあります。 これはその国では当たり前のことなので、チップだと思って現地の風習に従いましょう。

海外旅行先の国のタクシー事情を事前にチェック

以上のような場合、メーターの料金以外に請求されても、異常な金額ではないならそれはボッタクリなどではありません。 また、タクシーに関するシステムや事情は、国によって異なってきます。そのために、海外旅行先である国のタクシー事情をガイドブックなどでチェックしておくことが大切です。 余計なトラブルを回避するためにも事前チェックはしておきましょう。

海外旅行でのタクシートラブルの代表例と対応策

海外のタクシーでの料金トラブルには、さまざまなものがあります。代表的なものを見ていきましょう。

メーター詐欺・遠回り詐欺

料金メーターを違法に細工して高額な料金を請求するメーター詐欺、そして現地のことを知らないようなお客さんをターゲットにする遠回り詐欺です。メーターが上がっていく速度や、タクシーが走っている道などから“詐欺かも…”と判断するのは、日本人では難しいことです。

対応策

これらの詐欺が多いのは、いわゆる白タクと呼ばれるタクシーです。白タクとは、タクシー会社と契約していない、違法に業務をしている個人タクシーのことです。これらのタクシーには表示灯や料金メーターがないことも多く、とても危険です。

突然向こうから声を掛けてくるタクシーの運転手がいたら、それは白タクの可能性が高いので、乗らないほうが無難です。タクシーを使う時には、ホテルなどで呼んで貰うか、正規のタクシー乗り場を使うようにしましょう。

ただし、正規のタクシーに乗ったからといって100%安心なわけではありません。こちらが観光客だと解ると、わざと遠回りする運転手もいます。これを防ぐためには、ホテルなどで行き先までのだいたいの料金を聞いておいたり、スマホやガイドブックで目的地までの距離と料金をチェックしておくことです。

そしてタクシーに乗る際に事前交渉しておきましょう。「料金はこれくらいですよね?」というように交渉しておけば、遠回りなどは防ぐことが出来ます。

高額な追加料金の請求

事前交渉しておいたにもかかわらず、降りるときになって高額の追加料金を請求されることもあります。「事前交渉でいったのは1人分の料金」「荷物があまりに多い」「目的地まで思ったより遠かった」など、いろいろな理由をつけてくることも…。

対応策

荷物代のチップ程度ならまだしも、後になって高額な追加料金を請求されないためにも、事前交渉はしっかりとしておくことが大切です。「料金は人数分か?」「荷物代は含まれているのか?」「目的地までのルートに間違いないか?」など、詳細にしつこいと思うくらいに聞いておき、交渉した料金以上は払わないことを運転手に伝えましょう。

ですが、観光客の場合だと“しつこく言うと払ってくれる”という考えの運転手もいて、逆ギレされる可能性もなくはありません。この場合には支払っておいた方がいいでしょう。ただし、車のナンバーを控えたり運転手カードを見て名前を覚えおき、タクシーを呼んで貰ったホテルなどに報告しましょう。

荷物の持ち逃げ

タクシーの乗り降りの際に、荷物を乗せたまま走り去ってしまうケースです。意外に多いトラブルなので気をつけたいところです。

対応策

荷物をトランクに入れる時には、トランクを運転手に開けて貰い、荷物を入れてトランクを閉めるまでを確認しましょう。そして運転手より早くタクシーに乗ってしまいます。 降りるときには、ドライバーよりも後に降りるようにします。これで持ち逃げされることをかなり防ぐことができます。

また、万が一のことを考えて、トランクに入れる荷物には貴重品は入れておかないこと。貴重品は、必ず肌身離さずに持っていることです。

タクシー強盗

これはいちばん危険なトラブルです。人気の無いところまで走って行って、身ぐるみを剥がされてしまいます。個人の犯行の場合もありますが、仲間がいることもあり得ます。こうなってしまったら、素直に要求に従うしかありません。大怪我をさせられたり、命まで奪われてしまっては元も子もありません。

対応策

タクシー強盗を防ぐには、白タクは使わずに、必ずホテルなどで呼んで貰うこと、もし自分で拾うなら、町中でよく見るタクシー会社の車を利用することです。車体が綺麗な方が安全度は高いといえるでしょう。

タクシートラブルに共通でいえる安全策をまとめました。覚えておいて実行するようにしましょう。

◎海外旅行先のタクシー事情を事前にチェック
◎声を掛けてくるタクシー(白タクの可能性大)には絶対に乗らない
◎タクシーを使う時には、ホテルで呼んで貰う
◎行き先までの料金や距離をフロントで聞いたり、スマホなどで確認しておく
◎事前交渉は細部までする
◎トランクに入れる荷物がある時には、運転手よりも先にタクシーに乗り、後に降りる
◎何かあったときのために、タクシーに乗っている間はスマホを手に持っている
◎深夜などにタクシーを使うのは極力避ける
◎酔った状態でタクシーに乗らない

などです。 最後に、当然ですが海外のタクシーはすべてが悪人ではありません。 白タクは危険度が高いですが、普通のタクシー会社であればフレンドリーで親切な運転手がほとんどです。 「怖いからタクシーを全く使わない…」というのも手ですが、危なそうなタクシーには乗らずに、最低限の安全策を取れば便利に利用も出来る、ということも覚えておきましょう。