海外旅行で覚えておきたいチップのマナーのポイント

海外に行くと、日本では馴染みのない習慣やマナーに戸惑ってしまうことも多いかと思います。そのひとつにチップがあります。たとえ短期間の海外旅行であっても、チップの知識があるのと無いのとでは大違いです。海外旅行先で恥をかかないためにも、チップの基本的な知識を事前に覚えておくといいでしょう。

そもそもチップとは…?

チップとは、レストランやホテル、タクシーなどを利用した時に、通常の料金とは別に“受けたサービスに対して支払うお金”のことです。日本でいえば、旅館などで仲居さんなどに渡すことのある“お心づけ”のようなものと考えていいでしょう。

ですが、海外でのチップは単なる“お心づけ”ではないので、サービスの内容によって渡したり渡さなかったりするのはマナー違反になります。海外で働く人たちにとっては、チップも賃金の一部になるので、どんなサービス内容だったとしても渡す必要があるのです。これを考えると、とても満足できるサービスを受けたときには、多めにチップを渡してあげるといいと思います。

チップの基本的知識

チップはあくまでサービスに対する対価なので、決まった金額はありません。国によっても違いがあり、その場所や場面によっても変わることを覚えておきましょう。

チップが必用な場面と基本的な相場

最初に話ししたように、チップが必要になるのはサービスを受けた時です。また、その場面によって支払うチップの相場もだいたい決まっています。ただし、自分で飲み物や食べ物を運んだり、ガソリンを入れたりするセルフサービスのお店ではチップを支払う必要はありません。

チップが必用な主な場面と相場

ホテル/相場1ドル~5ドルほど

ホテルでは主にドアマンやベルボーイ、コンシェルジュ、ルームサービスなど、身の回りの世話をしてくれる人にチップを支払います。ちなみに、フロントスタッフにはチップは不要です。

レストランやバー/総額の10%~20%

飲食店では、自分たちに付いてくれたウエイターやウエイトレスにチップを渡すのが基本です。カジュアルなレストランでは総額の10%から20%ほど、高級レストランでは20%を渡しておくといいでしょう。

空港や駅/1ドル~3ドルほど

空港や駅では、荷物を運んでくれるポーターにチップが必用です。基本的には荷物ひとつに対して1ドルから3ドル程度を渡しておきましょう。

タクシー/総額の15%~20%

ダクシーでは基本は15%から20%ですが、案内をして貰うなどのサービスを受けた場合には多めに渡しておきます。また、荷物の積み下ろしなどをして貰ったら、別途で1ドル程度を渡しておくようにします。

クローク/1ドル~2ドル

ホテルやレストランでコートなどを預けるクロークにもチップが必用です。1着につき1ドルから2ドルが相場です。

ツアーガイド/10%~15%

ツアーガイドには総額の10%から15%が相場ですが、親切にガイドをしてくれた場合などには多めに渡してあげましょう。

エステティック・サロン/総額の10%~20%

総額の10%から20%が相場です。利用料金自体が高めなので、チップ料金も考えて用意しておくと安心できるでしょう。

基本は現金でも、クレジットカード払いもOK

チップは基本的には現金で支払います。また、クレジットカードでチップを支払うパターンもアリです。この場合には、レシートにある「Tip」の欄にチップの額を記入して、「Total」の欄にはその合計額を書いておきましょう。

チップを渡す時のマナー

チップを渡す時に気をつけたいのは、渡す相手を目の前にして慌ててお財布から出すのではなく、あらかじめ用意しておいて渡すのがスマートです。スッと渡すことが出来れば、こちらの気持ちも伝わることでしょう。また、チップは硬貨ではなくお札で渡すのが常識なので、1ドル札などは常に多めに持っているようにしましょう。

国によって違うチップ事情

欧米やヨーロッパなどではチップの習慣があり、相場もハッキリとしていますが、アジア諸国の場合には国によってはチップが要らない所もあります。ですので、海外旅行に行く場合には事前に行き先である国のチップ事情を調べておく必要があるでしょう。

チップが必用な主な国

アメリカ合衆国/メキシコ/ブラジル/ドイツ/フランス/イギリス/スペイン/イタリア/ギリシャ/ロシア/エジプト/オーストラリア/インド/タイ/インドネシア/香港など

チップが不要な主な国

中国/韓国/台湾/マカオなど

以上に上げたのはあくまでも主な国なので、上記に無い国の場合には自分で調べてみましょう。

慣れないチップは面倒かもしれませんが、海外に行く以上、その国の習慣に従うのが礼儀というものです。チップの計算が大変だということもあるので、お店などに入ったときにはスマホなどで素早く計算できるように準備しておくといいかもしれません。タクシーなどでは、料金とチップを合わせた額のキリがいいようであれば、お金を渡す時に「お釣りは要りません」と伝えるのもいいでしょう。

もうひとつの注意として、経済観念が大幅に異なる国などでは、あまり沢山のチップを渡すのも考えものです。大げさにいえば、チップで多額のお金を貰えるという意識を相手に植え付けてしまい、その人の経済観念を変えてしまうことになりかねないからです。あくまでもその国に合った額で、スマートにチップを渡すように心がけましょう。