クレジットカード付帯の海外旅行保険の選ぶポイント

海外旅行に行ったときにいちばん気がかりなのが、現地で何らかのトラブルに遭ってしまった時でしょう。病気や怪我、盗難など、どんなトラブルに遭ったとしても、場所が海外だけに不安は大きいと思います。 そんな場合に頼りになるのが海外旅行保険(正式には海外旅行損害保険)です。

クレジットカード付帯海外旅行保険と保険会社の海外旅行保険

海外へ行く時には必須の海外旅行保険には、クレジットカードに付帯されている保険や保険会社の保険などがあります。どちらにもメリットやデメリットがあるので、海外へ行く時の状況に合わせて使い分けるのが賢い方法といえます。まずは、その両者の違いを見ていきましょう。

クレジットカード付帯海外旅行保険のポイント

何といっても最大のポイントは、海外旅行に行く度に保険加入の手続きなどの手間がないことでしょう。カードによって補償範囲は変わってはきますが、クレジットカードが発行された時点で、そのカードに付帯している海外旅行保険に加入したことになるのです。また、1度の海外旅行での補償期間は決まってはいますが、海外旅行に行く度に新たに適用されるのでかなり便利といえます。 ただし注意したいのは、カード付帯には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があるということです。「自動付帯」の場合には、カードを持って旅行にいった時点で保険が適用されますが、「利用付帯」では、交通費などの旅行代金をそのクレジットカードを利用して支払う必要があります。要は、カードを使った時点から保険が適用される、ということです。

補償期間

クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、ほぼどのカードでも最長3ヵ月間となっています。 具体的には、 ・海外旅行に行くのを目的に自宅を出てから帰宅するまで ・日本を出国した日の前日0時から帰国した日の翌日24時まで ・出国した日から最大で90日(3ヶ月)後の24時まで と、これらを満たしていれば補償期間となります。

ただし、カードによっては補償期間が異なる場合もあるので、自分の持っているカードのクレジット会社で確認しておきましょう。また、カードの付帯海外旅行保険が「利用付帯」の場合には、旅費のカード払いという条件をいつ満たしたかによって補償期間の開始日が変わってきます。「利用付帯」の保険で条件を満たす前にトラブルにあっても、保険は効かないので注意しましょう。

補償対象範囲

クレジットカード付帯海外旅行保険の種類にはいくつかありますが、大きく分けると以下の3種類になります。

病気や怪我に関する保険

旅行中の死亡や怪我、病気になったとき。

補償に関する保険

クレジットカードで買った商品が盗難に遭ったり、破損したとき。

紛失・盗難に関する保険

クレジットカードを紛失したり、盗まれて不正使用されたとき。

また、「紛失・盗難」の保険はどのカードでもほとんど対象内ですが、「病気や怪我」「補償」ではカードによって対象外になっているものもあります。この場合には、補償対象範囲が異なる複数のクレジットカードを持つことでそれぞれをカバーする、という方法も使えます。

治療費の支払い方法

病気や怪我の治療費はキャッシュカードと提携している病院であればキャッシュレス(現金を支払わなくてもOK)となるのでかかりません。なので、自分の持っているカードと提携している病院をあらかじめチェックしておくと便利です。また、この時には「自動付帯」と「利用付帯」によってそれぞれ必要な書類などが変わってきます。

「自動付帯」の場合

クレジットカードとパスポートがあれば基本的には手続きできます。ただし、カードによって異なる場合もあるので覚えておきましょう。

「利用付帯」の場合

クレジットカード、パスポートの他に、そのカードを使ったことを証明できる利用明細が必要となります。これがないと補償が受けられなくなってしまうので、利用明細は捨てたりせずに、必ず保管しておきましょう。

保険料

クレジットカード付帯海外旅行保険は、別途保険料を支払う必要はありません。なので、そのクレジットカードの年会費が無料であれば0円、年会費が必要であればその値段に保険料も含まれている、と考えていいでしょう。

保険会社の海外旅行保険のポイント

カードが発行された時点で加入したことになるクレジットカード付帯海外旅行保険に比べて、保険会社の海外旅行保険は海外に行く度に加入手続きが必要となります。これを考えると手間がかかるのがデメリットといえますが、その分、カードの付帯保険よりも手厚い保険内容もあります。広い範囲でいうと、例えばクレジットカードやパスポート紛失の際の手続きの案内や、病院などで日本語が通じない時などには、電話などでの通訳サービスもあります。これら保険適用内容以外でのサービスもポイントといえるでしょう。 また、心理的には、保険証が手元に届くという安心感もあります。近年では、空港で保険加入が出来るなど、なるべく手間のかからないような環境になってきているので、クレジットカードの付帯保険では不安な方は利用してみるといいでしょう。

補償期間

補償期間は、基本的に自宅を出て海外に行ってから帰宅するまでの間となり、最大で90日間(3ヶ月)です。ここら辺はキャッシュカード付帯海外旅行保険と同じです。ただし、保険の種類によっては補償期間が異なることもあるので注意しましょう。

補償対象範囲

保険会社の海外旅行保険の補償対象範囲は、クレジットカードの付帯保険と同様に ◇病気や怪我に関する保険 ◇補償に関する保険 ◇紛失・盗難に関する保険 などがあります。 ただし、カードの付帯保険との決定的な違いとして、これらの補償内容を自分で選んで付けることが出来ます。付帯保険の場合には、カードによって付いている補償対象が決まってしますが、保険会社の保険では、必要と思う補償を任意で選べます。場所や目的、予算などによって最も見合った補償対象を選びましょう。

治療費の支払い方法

クレジットカードの付帯海外旅行保険だと、提携先の病院でキャッシュレスに対応している所であれば治療費を支払わずに治療が受けられるシステムですが、保険会社の海外旅行保険であれば、ほとんどがキャッシュレス診療に対応しているといっていいでしょう。

保険料

カードの付帯海外旅行保険とは違い、保険会社の海外旅行保険には保険料が必要です。その額は保険の補償内容によって変わってくるので、よく吟味する必要があります。別途保険料がかかるだけに、付帯保険よりも額の大きい保険に入れるのはメリットといえるでしょう。

海外に長期滞在する留学などの際には、特別な海外保険も

これまででキャッシュカード付帯と保険会社の海外旅行保険を比較してきましたが、これらは共に短期間滞在の海外旅行保険です。では海外留学などの長期間滞在の場合にはどうすればいいのか?これには、長期滞在に対応した海外留学保険というものがあります。この保険はキャッシュカードに付帯している、というものではなく、保険会社ときちんと契約する必要があります。補償期間は90日間などの短期ではなく、長期間に渡るものが用意されていますし、補償対象も怪我や病気、紛失・盗難などの他にも海外での住居に関する内容の保険もあります。また、万が一の場合の一時帰国費用を補償するプランなど、長期滞在に特化した内容となっているのが特徴です。

クレジットカード付帯海外旅行保険のチェックポイント

手間もなく何かと便利なクレジットカード付帯海外旅行保険ですが、実際に海外で有効に使えるようにしておくためにチェックしておきたいポイントをまとめてみました。 海外旅行に行く前には、自分の持っているカードで確認しておきましょう。

1、「自動付帯」か「利用付帯」か?

意外と忘れがちな部分なので要チェックです。「利用付帯」であれば、旅費の支払いにカードを利用しておくことは必須です。

2、キャッシュレス診療に対応している場所のチェック

キャッシュカードによって変わってくる部分なので、あらかじめ調べておくことが大切です。出来るなら、異なる複数のカードを持っていると便利でしょう。

3、補償内容と金額のチェック

「傷害治療」「疾病治療」「賠償責任」、さらに大切な「死亡・後遺障害」など、カードによってその補償内容は変わってくるので、事前に必ずチェックしておくことをオススメします。さらに内容と同時に、これらの補償金額も見ておきましょう。 海外での治療費は日本とは比べものにならないほど高額になる可能性もあります。保険ではカバーできない金額の場合、自己負担になることもあるので、もし不安であれば保険会社の海外旅行保険の加入も考えてみましょう。

まとめとして

クレジットカード付帯海外旅行保険にしても保険会社の海外旅行保険にしても、どちらにも一長一短はあります。 要は、海外旅行の行き先や目的によってそのどちらが安心なのかをよく考えることです。どちらか相応しい方を選ぶのか、両方を持っておくのか? 何にしても、安心して海外旅行を楽しめるようにしておくのがいいでしょう。